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アダルトビデオ被害対策、男9割の衆院委員会を通過

アダルトビデオ(AV)新法が、525日、衆議院内閣委員会で成立した。内閣委員会の女性は、40人中わずか4人、1割にすぎない。衆院の女性は9.9%だから言うまでもないが、あえて言う。9割、女1割という場で、ポルノビデオ撮影における地獄のような性被害ーーほとんどが女性ーーに関する国の規則が決められたのだ。これをグロテスクといわずしてなんといおう。


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実際、AV法案には、どこを見ても、撮影時における性交禁止も、性的虐待禁止もない。

国会関係者などによると、AV法案は委員長提案だった。与野党で前もって成立させると決めた法案だ。法案が提出されたら即採決。要は、与野党が手打ちをしたもので、反対はありえない(が慣行らしい)。予定どおり、AV新法も525日に提出され、その日ただちに全会一致で通過した。


ただ、メディアも注目しはじめたゆえか、参院選が近いゆえか、発言時間は2時間あった。質問する議員は、主に自分が所属する党の提案者に答弁を求めた。自分の党の実績を議事録に残したかったともいえる。


山井和則議員によると2月から民間の支援団体「ヒューマンライツナウ」や「ぱっぷす」から深刻な被害の訴えを聞いて法案への話が始まった。「性行為をともなうAVの禁止について今後の見通し」を聞いた堤かなめ議員の問に、山井議員は「本法が成立した後も、性行為をともなうAVの禁止について検討をつづけることは可能」と一般論を述べるにとどまった。


重要な指摘としては、本村伸子議員「AV撮影における性交の禁止を提案したが、合意がえられなかった」。大石あき子議員「酒、たばこ、ギャンブルは18、19歳を成人に含めないと変わった様に、AV撮影出演の取消権も、従来通り保障すべきだった」。ただ、この2人は委員会の委員名にはなく、その日(5月25日)だけ差し替えられて、その日にもとにもどったようだ。これだけからも、AV法案成立過程の拙速さがうかがい知れる。


次は参院に移る。2年後の見直しに向けて、誰がどう発言するか注目。



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衆法 第208回国会 43 性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律案(shugiin.go.jp) (AV新法の正式名称)




by bekokuma321 | 2022-05-28 10:03 | 日本