2022年 04月 03日
戦争は女・子どもを人身売買・性産業のえじきにする
ウクライナ戦争のニュースが刻々と流れてくる。戦争こそ、人間の尊厳を踏みにじり、福祉・医療を奪いとり、環境を根こそぎ破壊しつくす。その地獄に目をそむけたくなるが、目をそむけてはならない、と今日もニュースを見る。
ウクライナ人が最も多く逃れている地はポーランドのクラクフだという。そのクラクフを3年前の春訪れた(下の写真)。上品で魅力的な街だった。そのとき世話になったクラクフ女性センター所長のフェイスブックは、今、難民救援情報であふれかえっている。「貧しい人も多いクラクフですが、今、自宅の一室を提供したりなど、あらゆる努力をしています」と彼女はちょっと誇らしげだ。

▲ウクライナからの難民がやってくる隣国ポーランドのクラクフ
ウクライナ戦争が及ぼす女性や子どもたちの被害とはどんなものか。ユーロニュースから抄訳してみたい。
3月14日のユーロニュースによると、「ウクライナはヨーロッパで、施設ですごさざるをえない子どもたちの割合が最も高い国のひとつだ」とセーブ・ザ・チルドレンは告げている。
「ウクライナの子どもの1.3%にあたる約10万人が、子どもケア・ホームや、みなしご学校などの養護施設ですごしています。ロシアの侵略によってウクライナの百万という子どもたちが家を逃れることになりました。しかし施設で暮らす子どもたちの多くは、ウクライナにとどまらざるをえないのが現実です」
セーブ・ザ・チルドレン東欧所長のイリーナ・サゴーヤンIrina Saghoyanは最後にこう言う。残酷すぎる。
「このような最もぜい弱な立場に置かれた子どもたちこそ、人身売買、虐待、他の人権搾取の犠牲となる危険に直面しているのです」
欧州連合EUの欧州委員会内務担当委員イルヴァ・ヨハンソンYlva Johanssonも、同様のテーマを記者発表している。3月21日ユーロニュースから。
ちょっとそれるが、イルヴァ・ヨハンソンはメスマークにげん骨のペンダントをしていたことが何度もあった。フェミニスト政治家の怒りを体現しているようで好きだった。
そのイルヴァ・ヨハンソンはテレビで言う。
「(ウクライナの)社会的弱者である子どもたちが、人身売買の被害者にされたり、強制的に養子に出されたり、という危険が非常に高くなっています。私たちは、経験から知っています。移民がどっと増えると、それに乗じてうまいことやろうという人が出てきます、女性一般、とりわけぜい弱な女性や子どもたちが、人身売買の犠牲になるのです」
「200万人以上がポーランドに逃れて、他はルーマニア、モルドバ、ハンガリー、スロバキアに逃れて行っています。その半数が子どもなのです。そのなかには大人が連れ添ってない子どもたちが少なからずいます」
「何人かの女性たちが行方不明になったことを、すでにNGOやウクライナ女性団体から報告を受けました。非常に警戒すべき事態です」
「EU委員会は反人身売買コーディネイターのネットワークを活発にして、この非常事態を阻止しなければなりません。人身売買であることの証拠を待ってからなんて悠長なことではダメです。それでは遅すぎます」
イリーナ・サゴーヤンも、イルヴァ・ヨハンソンも女性だ。こういう分野のリーダーが女性であることは、こういう問題を重要視し、いち早く警鐘を鳴らしたことと無関係ではないと思う。
ウクライナとはとてもくらべものにならないが、日本でもコロナ禍で女性たちの悲惨な状況が一層明らかになった。なかには性を売って食いつながざるをえない女性たちも多いことが報道された。
それをNHKの看板番組「チコちゃんに叱られる」レギュラーの芸人は「待ってました」とばかりラジオでおちょくった。「もうじき風俗(性産業)に若い子が流れます。それまで我慢して待ちましょう」などと言ったのだ。周りは彼の発言をいさめるどころか笑い飛ばした。彼は詫びたとは聞いているが、売れっ子として今もTVに君臨し続けている。女性の不幸を食い物にしてはばからない発言の主をなぜ公共放送が使い続けるのか。買春容認社会ニッポンにあらためて怒りを覚える。



