2021年 11月 02日
候補者男女均等法のもと男性9割以上の衆院と化した2021衆院選
衆院選が終わった。女性の当選者はわずか45人、10%以下だった。9割以上が男性という悪夢が続く。
そもそも嘆かわしかったのは、女性候補が全体の18%以下だったことだ。「候補者男女均等法」をせせら笑うような数字だった。ほとんどの政党は、野党統一候補の半数を女性にするような勢いも見せず、比例区単独トップを女性にしたり男女交互にしたりなどの工夫もしなかった。
コロナ禍、介看護で働く女性たちの労働条件の悪さがやっとオモテに見えてきた。真っ先にクビ斬りの対象にされたパートや派遣など非正規で働く女性たちの多かったこと。在宅ワークによるDVの増加、心を病んだ女性、自殺に追い込まれた女性・・・。いま、当事者である女性を議会に増やさずして、いつ増やすというのだ。
女性10%以下では、世界193カ国中165位という目をそむけたくなるほどの女性議員ランクからはいあがることなどできっこない。世界の平均は26%と4人に1人は女性だ。アジア諸国だけ見ても女性は21%、5人に1人は女性となった。クオータ制をとる国が増えたからだ。比例代表制選挙をとる北欧諸国にいたっては45.1%と半数に近づいた。
小選挙区では、勝者以外に投じた票はみな「死に票」となる。今回は「約2673万票。全体の46.5%だった」(時事通信)。これまでもウン千万票が溝に捨てられてきた。「投票に行こう」キャンペーンは、この選挙制度自体の持つ欠陥の前ではむなしく、今回の投票率は55.9%、戦後3番目の低さだという。
全465議席は、小選挙区289、比例176。1994年成立したときから小選挙区300、比例200と、比例区が少なかった。その後、さらに比例区は減らされてきた。小政党に配慮して誕生したとされる比例区だが、比例区で政党の得票数を議席数に計算するとき、大政党に有利な「ドント方式」を使っている。北欧は小政党に有利な「修正サン=ラグ方式」だ。日本の比例区は比例区らしい「よさ」が少ない。
たとえば、れいわは3議席獲得したが、この程度の比例区でも3議席とれたのである。比例区の定数が増えて、「修正サン=ラグ方式」なら、もっと当選できただろう。
この欠陥だらけの小選挙区中心の選挙制度の生みの親は小沢一郎議員だ。その彼が小選挙区で落選した。今夜、小沢議員も、この選挙制度を変えなくてはと思っているのではないか。
【円グラフは、IPUの最新資料をもとに作図した。衆院にあたる第1院に占める女性議員の割合。クリックすると鮮明に見えます】
■速報「Hello!民主主義 Goodbye!"男"主主義」
https://frihet.exblog.jp/32353466/
■女性候補わずか18%(市区議会議員選)
■これでは女性に1票入れたくても入れられない
■議会を男女半々に:政党へ候補者均等法遵守要望
https://frihet.exblog.jp/30047207/
■選挙制を改革するなら候補者男女均等法を生かせ
■「候補者男女均等法なんて知らない」(長野県下諏訪)