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「報道の偏り批判」にまともに答えない朝日・天声人語

2021年9月17日の朝日新聞「天声人語」にはのけぞった。最も読者が多いであろう新聞欄を使って、最も書いてはいけないことを書いている。書き出しはこうだ。


「テレビなどメディアに登場することを『露出』という。手元の辞書には「あらわに、むき出しになること」の意とあり、上品な言葉ではないが、業界用語として広がったのだろう。タレントの露出の多さを願い、少なさを憂えるのは芸能事務所の常である▼もちろん彼らは露出の少なさをテレビのせいにはしない。タレントの魅力を磨き、営業努力をするまでだ」


タレントだってテレビのせいにはせず努力をする、などと説教したあとで、野党第一党の国体委員長をこう批判した。


「ライバルである自民党の露出の多さを嘆き、テレビのせいにする人がいる。立憲民主党の安住淳国対委員長である」


安住委員長は「テレビの情報番組や報道番組が『自民党一色になっている』と批判し「個別の番組についてチェックさせてもらう」と記者団に語ったという。


つまり安住委員長は、テレビの報道は自民党に偏っている、こんな不平等な報道でいいのか、と批判したのだ。たとえば、9月17日のNHKなど、自民党代表選候補者4人の演説会と記者会見を各1時間ごとに2時間も流していた。自民党のテレビ局ならわかるが、れっきとした公共放送が、たかが一つの政党の代表を決める党内イベントをこれほどまで露出していいのだろうか。一般市民だっておかしいと思う。ましてや、選挙を控えた最大野党の幹部議員となれば、憤懣やるかたないはずだ。


ところが、天声人語は、テレビ局の報道の在り方は不平等だという安住委員長の批判にまともに答えず、「いま立憲民主党に求められるのは、テレビの前で悔しがることではない。政策を磨き、足を使って人々の声をすくいあげることだ」などとふざけたことを書いている。まったくお門違いもはなはだしい。


政治家が人々の声を聞くのは当たり前だ。しかし、磨いた政策も報道されなければ人々には届かない。当然ながら報道のしかたによって人々の声は変わりうる。自民党にこれほどまでに偏った報道は、自民党以外の党とくに野党に不利に働くのは当たり前ではないか。しかも、もうじき衆院選だ。


有権者の5人に1人しか支持されていない自民党が、衆院の6割以上を占めたのは2014年衆院選だった。5割以下の支持で、7~8割の当選者を出したのは2017年衆院選だ。小選挙区制になって25年、国会には民意とは異なった政党分布が出現し、自民の一強政治が続く。


だからこそテレビは、野党とくに小政党に不利にならないようバランスに気をつけて報道すべきだ。それがメディアの役目ではないか。天声人語ファンの私だが、今日は、朝から腹が立った。


「報道の偏り批判」にまともに答えない朝日・天声人語_c0166264_19040285.jpg
        ▲朝日新聞「天声人語」(2021.9.17)


by bekokuma321 | 2021-09-17 19:21 | 日本