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ミーナの叫び

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毎日、テレビから流れるアフガニスタンのニュース。その悲惨さ、そのむごさ。言葉を失う。アフガニスタンの女性について書いた拙文を読みかえす。大勢の「ミーナ」の叫びが聞こえてくる。ミーナは女性解放団体RAWAをつくったアフガニスタンの闘士(女)だ。

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1人の女性の顔が描かれた旗。握り拳を天に突き上げる女性たち。その背後の真っ赤な色は太陽か火炎か。いや血しぶきのようでもある。旗の女性の名はミーナ(1956~1987)。アフガニスタン女性解放運動の象徴だ。

ミーナは、1977年、カブール大学在学中に女性解放団体RAWAを創設。「女性の権利、民主主義、自由」の3つのモットーを掲げ、戦争とイスラム原理主義に反対し、男女平等と社会正義の祖国をつくろうとした。

軍事支配していたソ連とアフガニスタン政府を公然と批判し、デモを組織し、勉強会を企画し、同志を増やした。パキスタンの難民キャンプにも足を運び、病院や孤児院や識字学校を設立。難民女性たちが働けるよう、看護などの職業訓練校もつくった。雑誌『女性のメッセージ』を創刊し、女性の意識啓発にも打ち込んだ。

イスラム原理主義は女性の人権を認めない。女性が外で仕事をすることは厳禁。女性に教育を施す活動などは最大の攻撃目標だ。が、ミーナは脅迫や嫌がらせにも、ひるまなかった。そしてRAWA創設10年後の1987年、何者かに誘拐され殺害された。享年30歳。

 ミーナがつくったといわれる詩を、私流に訳してみた。

  私は目覚めた女
  私は焼き殺された子どもたちの灰が飛ぶ嵐
  私は兄弟姉妹が流した血であふれる小川
  崩れおちたわが村が、敵への憤怒をかきたて
  祖国の怒りは私を奮い立たせる
  ああ同胞よ、もう私を臆病者と見てはいけない
  私の声は幾千もの女たちの怒りの声
  私の拳は幾千もの友の拳
  隷従者の苦しみを解消するために
  私は目覚めた女
  私は歩む道を見つけた
  後戻りのない道を

【『I 女のしんぶん』連載「叫ぶ芸術ーーポスターから見る世界の女たち 第15回」】

by bekokuma321 | 2021-08-27 21:44 | アジア・アフリカ