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ビーチ・ハンドボール女子ユニフォームに異議

昨日7月18日のニュースによれば、ブルガリアで開催されていたビーチ・ハンドボールのヨーロッパ大会で優勝したのは、男子がデンマーク、女子はドイツだった。


優勝は逃がしたものの、ノルウェー女子チームは、金メダル以上の賞に値する、と思った。いくつかの報道から紹介する。


ノルウェー女子チームは、ビーチ・ハンドボールの試合規則はおかしいと異議をとなえた。


規則はこうだ。女性のトップスは、ぴったりとしたものでなければならないうえ、胴部分が出て、背中側の袖ぐりが深く中心に切り込んでなければならない。ボトムスは、ぴったりとした、脚の付け根に切り込んだ形のビキニ・パンティでなければならず、しかも、ビキニの側面の生地の幅は最大10センチ、とされている。


ノルウェー女子チームは、ヨーロッパ大会出場にあたって「ビキニ・パンティを身に着けない」と規則違反の直接行動をとることにした。ニュースを読むと、何年も前から女性のユニフォーム規則に異議をとなえてきたが、聞き入れてもらえなかったらしい。


今回、大会関係者から「罰金を科す」と返答されたノルウェーチームは、「喜んで罰金を払います」と、1試合につき150ユーロ、総額5万ユーロの罰金を支払うつもりでいた。日本円にして約650万円だ。なんといういさぎよさ。


ところが、ハンガリーとの初戦の直前になって、「はっきりとは言いませんでしたが、利息がかさむ、とか、さらなる罰則を科すと示唆されて、脅されたのです。試合直前だったため、落胆してしまいました。結局、私たちはビキニ・パンティ着用を強いられてしまったのです」


最悪の事態は失格である。「失格です」という言葉は使われなかったものの、ノルウェーチームは、最悪の事態になると解釈した、と報道されている。報道写真には、男性と同じような短パンをはいていたノルウェー女子選手たちが、それを脱いでビキニ・パンティになっているシーンが載っていた。


ノルウェー・ハンドボール連盟チーフのコーレ・ガイア・リオは、「とても恥ずべきことであり、絶望的です」と報道に語っている。


「スウェーデン、デンマーク、フランス、ノルウェーは連帯して、ヨーロッパ・ハンドボール連盟に、あらためて規則改正を求める」そうだ。対するヨーロッパ・ハンドボール連盟は、規則の変更を検討して、提案をしたい、と報道に語っている。


歴史の歯車の動く音が聞こえてくるようだ。



https://www.nrk.no/sport/presset-til-a-spille-i-truser_-_-pinlig-og-haplost-1.15573933

https://www.insidethegames.biz/articles/1110390/ehf-beach-handball-bikini-row-norway

https://www.nrk.no/sport/bikinitvangen-kan-bli-opphevet_-__kjenner-folk-som-har-sagt-nei-til-a-spille-1.15472923

高梨沙羅と女子スキージャンプ史 : FEM-NEWS (exblog.jp)


ビーチ・ハンドボール女子ユニフォームに異議_c0166264_11292626.jpg
▲ノルウェー王宮公園のカミラ・コレット像。19世紀の作家。結婚後、夫に先立たれ4人の子を抱えてシングルマザーに。家を売り、子3人は里子に出し、それでも困窮。生きていくために小説『知事の娘』を出版。著者不詳で発表、実名を公表したのは20年後(『ノルウェーを変えた髭のノラーー男女平等社会はこうしてできた』より)



by bekokuma321 | 2021-07-19 11:41 | ノルウェー