2021年 07月 01日
レインボーカラーをやめたUEFAは「時代遅れで古臭く腰抜けだ」
6月22日(火)、欧州サッカー連盟UEFAは、バイエルン・ミュンヘンの本拠地アリアンツ・アレーナをレインボーカラーにする当初の計画をやめた。ドイツとハンガリーの試合の前日のことだった。
ノルウェーから届いたメディアによると、ノルウェーの文化・平等大臣アビド・ラジャは、このUEFAの判断を、「時代遅れだ」「古臭い」「腰抜けだ」と、ただちに強く抗議した。
彼の厳しい批判はさらに続いて…。
「欧州サッカー連盟UEFAは、社会的責任を理解していない。深く失望した」
「どのような人たちの価値をサッカーが代表するか、また代表すべきかについてUEFAはわかっていないのでは。サッカーは、すべての人を含めるべきものであり、すべての人のためのものだ。サッカーは、障がいを持つ人たちのためだけでもなく、ある人種の人たちのためだけでもなく、ヘテロセクシュアルの人たちのためだけでもない」
ノルウェーのアフテンポステン紙によると、レインボーカラーを記念したライトアップは、ハンガリー国会が、未成年者に同性愛を奨励することを禁ずる法律を最近可決したことを受けて浮上した。「レインボーカラーにライトアップすることをUEFAが拒否したのは政治的だと思う人もいます。しかし、逆に、レインボーカラーを要望すること自体が政治的です。今夜、ドイツでハンガリーのサッカー選挙が出場することに関連づけたのですから」とUEFAの反論も付記されている。
バイエルン・ミュンヘンの本拠地アリアンツ・アレーナは、ミュンヘン郊外のアウトバーン近くにあるサッカー場。試合があると、さまざまな色にライトアップされるのだという。
私は、アビド・ラジャ文化・平等大臣の勇気ある発言に拍手を送りながら、彼のような人が閣僚の一角を占めるノルウェーの内閣人事に驚いた。
彼は、2020年1月、中道保守政権から進歩党がぬけたため、自由党から入閣した。多様性のシンボルのような人物だ。FEM-NEWSで、そのとき紹介した短文を再掲する。
「パキスタン系ノルウェー人で弱者の味方。父は工場労働者で母は専業主婦。暴力が絶えない家庭で彼も暴力におぼれて学校を中退、少年院に。その後、高校に再入学して大学へ。弁護士、政治家、人権活動家として活発に発言を続ける。」
一匹オオカミとして行動するタイプで、社会的弱者、とりわけ肌の色の濃い人たちへの差別を許さず、一貫して行動を続けてきた。そのため絶大な人気を誇る一方、敵も多い。殺害を予告する脅迫も舞い込んでおり、住所を明かしていないと、報道されている。