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政党交付金の配分額とその使われ方

41日、総務省は、政党交付金が政党にどのくらい配分されるかを公表した。


2021年度は、自民党1702163万円、立憲民主党688938万円、公明党30541万円、国民民主党2472万円、日本維新の会181837万円、社民党31228円など。配分方法は、所属政党の衆参議員数と、最近の国政選挙での得票数によって決まる。共産党は制度に反対しており申請していない。


毎年公布されるが、年に平均320億円。世界一高額だ。

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▲政党交付金の総額と1人当たり負担額を円に換算して6カ国を比べた記事をもとに棒グラフにしたもの(「日本の国民負担は? 各国の政党交付金」朝日新聞Globe 2013.5.13)



政党交付金は、貧乏人から大金持ちまで、日本の全国民から等しく、1250円を集めた血税で成立している。基礎となる法律は「政党助成法」。1994年、小選挙区制中心の選挙制度と抱き合わせで、「政党の健全な発達のために」「民主政治の健全な発展のために」設けられた。ところが、これが全くのザル法だった。


以前騒がれたニュースを思いだしてほしい。やれ、観劇だ、ワインだ、うちわだ、カレンダーだ、SMバーだ、キャバクラだ、と報道された大臣や国会議員がいた。


観劇とワインは小渕優子経済産業大臣、うちわは松島みどり法務大臣、カレンダーは秋田の御法川のぶひで議員、SMバーは、小渕大臣の辞任後に就任した宮沢洋一経済産業大臣。そして、キャバクラは、東京都板橋区から出た太田順子さんの選対を務めた民主党区議会議員たち(太田さんのホームページに載っていた)。


最近では、選挙区内の葬儀に香典を持参したり、高価なカニ、たらこ、メロンなどをせっせと宅配していた菅原一秀経済産業大臣。そして、前代未聞の大買収選挙をした河井安里事件は現在裁判が進行中だ。


どうしてこんなことが次から次に起きるのか。


なぜかを知るために、まずカネの流れを見る。各政党の現職国会議員や国会議員候補は、自らの選挙区の政党支部の代表であり、そこに政党交付金が入り込むようになっている。この政党支部、名前は政党支部だが、法的には政党である(不思議だ)。この政党支部(つまり政党)あてに、常時、月ウン十万円、選挙があるとウン千万円という政党交付金が流れつくのである。


その政党支部(何度も言うが法的には政党)は、政党とは名ばかりで、実態は1人の候補者の選挙マシーンだ。これは選挙にかかわった人ならだれでもわかる。なぜなら日本の国政選挙は選挙区から1人当選する小選挙区制中心であって、この制度下では、5001人に自分の名前を書いてもらった候補は当選し、5000人に書いてもらった候補は落選する。だから、顔と名前を売るためにありとあらゆること、見つからなければ違法行為だってするようになる(比例代表制も一部分で使われているが、これは主に小選挙区制の落選者を復活当選させるための装置にすぎない)。


しかも、法律は、政治家たちのとんでもない使い方を許している。「政党の政治活動の自由」という錦の御旗の下、めちゃめちゃな使い道が見逃されているのだ。詳しくは『さよなら!一強政治:徹底ルポ 小選挙区制の日本と比例代表制のノルウェー』(三井マリ子著に記載した。


私は、以前、政党交付金のおかげで企業献金が禁止され(約束していたが反故にされた)、女性や弱者が立候補できるようになると肯定的にとらえていた。しかし今では、現行の政党交付金は百害あって一利なし、と断言できる。政党に公認してもらえさえすれば、黙っていても千万円単位のカネが、議員や候補に振り込まれるのだから、政党の日常活動など不要だ。広告会社に大金を支払って広告をバンバン打って名前を露出し、イメージアップを図った者が勝ち、ということになる。


政党交付金が流れつく先は政党支部の代表である国会議員や国会議員候補だが、では国会(衆院)に女性は何人いるか。10%もいない。世界166位だ。つまり、大勢の男性国会議員の懐に、貧しい女性たちの税金が毎年はいっていくのである。これを怒らずにおられようか。




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          ▲朝日新聞2021.4.2 「#政官界ファイル」より



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by bekokuma321 | 2021-04-07 12:02 | 日本