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女生徒の不快感を訴えた議会質問、全文削除に(松山市議会)

318日、愛媛県松山市議会で、質問した議員の内容を議事録から全文削除するという大変な事態が起きた。


質問者は田渕紀子議員。質問の趣旨は、校医の9割以上が男性である現状の下、校内での内科検診の際、精神的苦痛を覚えるという女生徒の声を踏まえて、学校内でハラスメントが起きないよう市に対策を求めるものだった。


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18日の議会は、19日の朝5時まで続いた。


女生徒がなぜ、どんなことに嫌な思いをしているか、学校にどんな解決策があるか、松山市はどう対応したら女生徒の不快感をなくせるか、などの話し合いに費やされたのだろうーーーこんな私の想像は打ち砕かれた。日にちをはさんでの長い議会は、医師会の抗議をどうおさめるかに費やされたのだった。


流れはこうだ。医師会の抗議を受けた田渕議員が謝罪をして、一部削除を申し出たが賛成少数で否決された。その後、与党議員の「全文削除」決議が賛成多数で決まったため、田渕議員が全文削除を申し出た。


もう少し詳しく言う。医師会は、田渕議員が質問の中に例としてあげた「盗撮」を医師会がしているかのようにとれると反発したようだ。それを受けて、田渕議員も一部削除を了承して申し出たが、賛成は得られなかった。次に、自民党と公明党の議員が提出した「全文削除」の決議文が賛成多数で決まった。


田渕議員は全文削除はしのびなく「女生徒の小さな声を届けられず、悔しい思いでいっぱいだった。議員辞職も考えた」そうだ。しかし、彼女が全文削除を申し出なければ議長権限による削除という手段もありえて、議長がそれを望まないならば議長不信任もできる、などという議会の流れも想定されたらしい。


ついには、田渕議員自身が、全文削除を申し出て、自らの質問を全文削除したということで決着した。日にちをまたいで続いた議会は、19日朝、閉会となった。


愛媛新聞は、「田渕氏は『子どもたちの声を消してしまうことになり、部分削除でよかったのではという思いはある』と述べた」と報じている。次は、「ガンバレ」と言っているかのように私には受け取れる。


田渕議員の提出した質問の意義は大きい。市や教育委員会や学校がただちにとりくむべき問題だ。たとえ気をつけるべき表現があったにせよ、全文削除は行き過ぎだと思う。田渕議員は、少数野党、女性、一期生、と議会の少数派中の少数派だ。少数派議員には、このくらいお灸をすえてもいいという空気があったのではないか。


【写真:松山市議会議場で質問する田渕紀子議員。たぶち紀子Norikoフェイスブックより


■愛媛新聞2021年3月20日版の当該記事はこちら

議会中継 松山市ホームページ (e-catv.ne.jp)_令和3年第1回(3月)定例会:319日 意見書案、決議案、表決、閉会


by bekokuma321 | 2021-04-01 09:33 | 日本