人気ブログランキング | 話題のタグを見る

速報:性被害を告発した草津町議員の2次被害、3次被害

 「アトピー性皮膚炎で、顔の皮膚は赤くただれ、象の皮膚の様に固く、しわしわで、手の甲には細かい湿疹ができ、かき壊しては体液がぐちゅぐちゅと出ていました。こんな症状に諦めかけていた頃、草津温泉のことを聞きました」


1111日、群馬県草津町議会議員新井祥子さんの報告会で、新井さんは草津温泉との出会いをこう語った。


2007年、新井祥子さんは、藁にもすがる思いで、草津温泉に湯治に行った。生まれ育った桐生市から草津町に毎週末通い続けた。その後、アパートを借りて治療に専念。そして2009年、草津町に転居した。


「毎朝、布団についた皮膚や血を見ては絶望していました。そんな私が、気持よく起きられる。ただ、それだけで、幸せな気持ちになりました。奇跡でした」


速報:性被害を告発した草津町議員の2次被害、3次被害_c0166264_22372135.jpg

     ▲新井祥子議員の報告会(2020.11.11 東京ボランティアセンター)


そんな中、町議会議員に立候補を勧められる。思いもよらないことだったが、「自分を救ってくれた草津町に恩返しできるなら」と2010年の補欠選挙に立候補した。落選だった。翌2011年の本選挙に再び挑戦し、当選をはたした。新井祥子さんは、草津町議会初めての女性議員だった。しかもただ一人の女性議員だった。


201518日、新井祥子議員は、相談事があったため前もって約束をした上で、黒岩信忠町長に会いに行った。そのとき、町長室で町長から性被害を受けた、という。新井さんは、その様子を次のように語った。


「抵抗はできず、声もあげられませんでした」

「なぜかというと怖かったからです。抵抗したら仕返しされるだろうと思いました」

「警察にも、その当時は行きませんでした。町長は常に私に、警察との密接なつながりを話していましたから、警察に行ったら、逆につぶされるに違いないと思ったのです」

「病院にも行っていません。そこまで考えが及びませんでした。この事件は、誰にも言わず墓場まで持っていくつもりでした。そうすれば、全てうまく行く、と自分に言い聞かせました」


では、なぜ2019年に性被害の告発にふみきったのだろうか。


2期目の当選後、町長が私の選挙妨害を画策していたことを知って、性暴力を受けた私の口封じをしようしているのではないかと考えるようになったからです」


それに、新井さんは、自分のほかにも被害者がいることを耳にして、もし、あのとき自分が町長からの被害を明かにしていたら、被害に苦しむ女性が出なかったかもしれない、と自分を責めるようになった。また、権限の乱用ではないかと町長の仕事ぶりに疑問を持つようになったことも背景にあった、と町の行政への意見を付け加えた。


201911月、雑誌のインタビューに答える形で、町長の性暴力が告発された。その後は想像を絶するようなさまざまな圧力と妨害行為にあう。2次被害、3次被害・・・。議員のほとんどは、「新井は嘘をついている」と言い出した。議会では、雑誌の中身が問題にされて新井さんは発言を求められた。そこで新井さんは、被害は事実だと訴えた。すると、その発言が「議会の品位を傷つけた」という理由で除名処分となった。


新井さんは、群馬県に「除名処分を取り消し」を申し出。その後、群馬県から「町議会の主張は懲戒事由には当たらない」とされて、新井さんは議員に正式に復職した。


それでも新井議員排除の動きは、止まなかった。県の判断が下った2日後、町長と町議会議長が主導する形で、新井議員のリコール運動が始まった。新井議員の除名処分に賛成した町議会議員9人が発起人だった。1019日 草津町選挙管理委員会は、十分な署名が集まったとして新井議員を解職させるための住民投票の実施を決定した。


1116日 住民投票の告示、126日 投開票。

投票の過半数が解職(リコール)に賛成すれば、新井さんは失職してしまう。


速報:性被害を告発した草津町議員の2次被害、3次被害_c0166264_09505741.jpg
▲「新井議員(左)の言っていることは真実だと確信しています」と発言する中澤康治議員(2020.11.11 東京ボランティアセンター)


一方、黒岩町長は「虚偽の内容」で名誉を傷つけられたとして新井祥子さんと、雑誌ライターを提訴している。それだけではない。町長は、同じ草津町議会の中澤康治議員をも名誉棄損で提訴した。中澤議員が新井さんの主張は真実だと考えて「町長不信任決議案」を議会に出したからだ、という。さらに今夏、町長は「新井祥子議員は・・・と真っ赤なウソを書いている」などと印刷したチラシを全戸配布したそうだ。


自身も町長から提訴された中澤康治議員が、1111日、新井さんの報告会に参加した。「新井さんの言っていることは正しいと確信しています」と言い、子どもも孫も全て女性だという中澤康治さんは、「女性が住みやすい町にしたいのです」と語った。


報告会を主催したのは「比例代表制推進フォーラム」。日本も比例代表制を中心とする選挙制度に変えるべきだという考えで普及宣伝を行う市民団体。9年前に設立された田中久雄代表の「変えよう選挙制度の会」の姉妹団体で、本年1月にできた。


【写真上:瀬野喜代撮影、写真下:三井マリ子撮影】

【当日配布資料はこちらから(PDF文書)】



by bekokuma321 | 2020-11-13 14:33 | 日本