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比例代表制こそ希望の道(瀬野喜代)

比例代表制こそ希望の道(瀬野喜代)_c0166264_10344191.jpgこれは三井マリ子さんの総決算だと、この本(『さよなら!一強政治』)に込められた熱意を私は感じた。


これまで都議や国会議員選挙を経験し、全国フェミニスト議員連盟の創始者として全国を飛び回って女性議員誕生を応援した経験、女性センター館長として市民と連携して成果をあげたのに不当解雇された経験、そして世界一民主主義の国ノルウェー各地を取材した経験を積み重ねて、「比例代表制こそ私たちの政治不信を解消する希望の道」と結論を出したのである。


ドキュメンタリ映画「選挙」(想田和弘監督)の英語版をノルウェー人に見せるところから話は始まる。


「これ、本当に選挙なの?」「彼は議員の候補者なの?」とノルウェー人は言う。選挙はくだらないと殆ど投票に行かなかった私は42歳で立候補して20年間議員を務めた。そんな私だから、言える。日本の選挙は本当にくだらない。名前の連呼とおじぎと握手が選挙なのだ。日本人は候補者の政策を比較検討することなく、知っている人だからとか、いい人みたいだからという基準で投票する。日本の議員はこんなふうに選ばれているのだ、という日本の恥さらしである。


この本には、普通選挙(男だけ)が日本で始まった1925年すでに「比例代表制にしなくてはならない」と看破した京都帝大教授がいたことや、何故かさしたる論争もなく小選挙区制が導入された国会の裏話なども書かれている。どの章を読んでも興味深いが、さらに2点を紹介したい。


一つ目は、ノルウェー自治体の男女平等指数(p148)。12項目にわたる調査基準で、ノルウェーは、全自治体の男女平等の現状を把握し、その進捗度をはじき出す。日本政府にも、この調査をおすすめしたい。この8月、全国フェミニスト議員連盟国際部は、政府と第5次男女共同参画基本計画案について意見交換したのだが、政府職員は分厚い計画案を書くのは得意だが、それをどう実効に至らせるかは不得意だと思った。日本政府は、この12項目調査を、是非、全国で調べるべきである。


二つ目は、地方は中央に隷属しないということ(p188)。ケアサービス職員が涙を浮かべて初の女性市長の当選を祝ってくれた話。片道3時間を自分で運転して会議に出かけるシングルマザー市長の話。暮らしは地方政治が決めるもの、選挙は、その暮らしをよくする代表を選ぶものと市民が理解しているのだ。


日本のあまりにもお粗末な選挙の現状とノルウェーの素敵な民主主義を知った今、さあ、私たちは何に取り組めばいいか。


まずは比例代表制について知ること、知らせること、そして願えば叶うと信じることが大切だと私は思う。


瀬野 喜代(元荒川区議)



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by bekokuma321 | 2020-10-01 10:49 | ノルウェー