2020年 03月 03日
コロナウイルス:日本の学童保育とノルウェーSFO
「学童保育」が表舞台に躍り出た。新型コロナウィルス感染対策で、安倍首相が一斉休校を宣言したため、小学校低学年の預け入れ先として、突如、浮上したのだ。

保育政策と同様に、「学童保育」で働く現場の声は政治に反映されてこなかった。今回は、そんな悲しい歴史の上塗りというか、その最たるもののひとつだ。現場の混乱はいかばかりだろう。
この機に学童保育の充実改善を望む声が高まって当然だ。とはいえ、「学童保育って何?」という議員が多く、その道は遠くけわしい。なにしろ、日本は女性議員が世界193カ国中165番目という“男主主義国会”を持つ(第1院、2020年1月IPU)。
子どもが最も幸せな国のひとつとされるノルウェーの学童保育を急いで紹介する。
ノルウェーでは学童保育をSFOと呼ぶ。ノルウェー語Skolefritidsordningenの略で、直訳すると「学校の自由時間プログラム」だろうか。始業前と放課後の子どもたちに、「遊びと、非教育学的な学び」を提供する。法的根拠はノルウェー教育法だ。

SFOの萌芽は1950年代で、1980年代に国の学校教育改革の一環として現在のスタイルに落ち着いたと言われる。
ハンディのある子どもは1年生から7年生まで、それ以外は1年生から4年生までが対象だ。学校のある時間、学童保育所は閉じられていて、学校が休校の場合は、学童保育も休業となる。小学校と学童保育は、連動しているのだ。
市(都、区、町村などの呼称はなく全て市)の責任のもとに設置され、だいたい朝7時から夕方5時までだ。ノルウェーの働く人たちの労働時間はきわめて短く、子どもを持つ親は柔軟な就業形態をとる権利があるため、通常、親は3時半か4時ごろには子どもを迎えに来る。
目的は、始業前と放課後の子どもたちに、安心安全の世話(ケア)を提供すること。子どもの年齢、関心、能力に応じて、一般的世話に加えて、文化的遊戯的活動など必要なプログラムがくまれる。
それぞれの小学校の校長が最高責任者だが、実質的責任者は各学童保育所のリーダーだ(教育専門課程を修了することとされている。例外あり)。小学校教育と異なり、法的規制やカリキュラム規制はないため、内容や質は自治体によってバラエティに富んでいる。これぞというモデルはなさそうだが、子ども15人に1人は指導員がつくとされているようだ。また小学校と同じように学校傷害保険にはいっている。

親は、SFO に子どもを通わせるために、一定期間前に学童保育所に申し込むのだが、インターネットでも手軽にできる。変更もネットで可能だ。問合せは、市に直接も可能だし、各市の小学校にいる担当にも可能だ。親は利用料(軽食を含む)を支払うが上限はあり、貧しい家庭は割引される。

最後に、ノルウェー子育て政策の充実には、家族や女性にかかわる施策の決定の場――国会や地方議会――に女性議員が40%いることも、あらためて強調する。
■Lek, læring ogikkepedagogikk for alle
■一斉休校を支える学童職員の約半数は年収150万円未満の惨状 (2020.3.4追加情報)
【20200304更新】

