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「北京行動綱領」報告書、日本政府は未提出

世界165カ国は出していた(注)。しかし、その中に日本はない。

何か? それは、第4回国連世界女性会議(1995年)で、採択された「北京宣言」ならびに「北京行動綱領」が、日本国内でどの程度守られてきたかをまとめた報告書である。

締切は、今年の5月1日だった。第64回国連女性の地位委員会が、来春、ニューヨークで開かれる。それに向けて、世界の国々が「北京行動綱領」や「北京宣言」をどの程度守ってきたかの基礎的情報としたいからだ。

国連のサイトには、アフガニスタンからジンバブエまでアルファベット順に並んでいる。国名をクリックすると、その国の進捗状況が書かれた報告書が出てくる。

ところが、日本、つまりJapanがあるべき「J」には、ヨルダンJordanしかない。10月末現在、日本政府は出していなかった(下図)。

内閣府の男女共同参画局(03-5253-2111)に何度か電話した。返事は「担当者が席をはずしている」「担当者はグループミーティングをしている」「こちらから電話をさせる」だった。

「北京行動綱領」は、女性差別撤廃に向けての重要な国際文書だ。「女性と貧困」「女性と経済」「女性と政治権力」など12分野について、現状とそれをどう解決すべきかが力強い表現でつづられている。「女性差別撤廃条約」とともに、日本を男女平等社会にするための、逃すことのできない国際基準だ。

日本政府は、実行はともかく、こうした文書は体裁よくまとめる、と聞いていた。しかし、そのまとめさえもないがしろにされているとは。安倍政権の「女性活躍~」とやらが、どの程度のものか、よーくわかった。


「北京行動綱領」報告書、日本政府は未提出_c0166264_20492802.jpg

【注:2019/11/1 国連に提出済の国の数を157カ国から165カ国に訂正・更新した。日本政府が今日急いで出したとしても、世界で166番目だ】




by bekokuma321 | 2019-10-31 21:57 | その他