2019年 10月 12日
ノーベル平和賞エチオピア首相と男女平等
2019年のノーベル平和賞はエチオピアの首相アビィ・アハメド・アリ(Abiy Ahmed Ali)に決まった。
受賞理由は、「隣国エリトリアとの関係を修復するための決定的指導力をはじめ、平和と国際協調を成し遂げようとした努力」。
余り知られてないが、昨年のちょうど今頃、首相アビィ・アハメド・アリは、もうひとつ決定的指導力を発揮した。同国初の女性大統領、さらには男女半々内閣を誕生させたのである。
大統領には、国連アフリカ連合事務所(UNOAU)代表をしていたサヘレウォルク・ゼウデ(Sahle-Work Zewde)が、国会で承認された。また、28省を20省に再編させたうえで、半数10省のトップに女性を登用した。
ソフトな省だけでなく、防衛省大臣にも女性をすえた。なかでも、新設された平和省には国会議長だった女性を任命した。この平和省は、連邦警察コミッション、国家情報安全保障局、情報ネットワークセキュリティ庁などを掌握する強大な権限を持つ組織だといわれている。
そもそもエチオピアは、国会議員(下院)の39%が女性、世界23位の座にある。日本は女性議員が10%で世界164位。日本はエチオピアに141も順位をあけられている。
内閣閣僚には、多民族多言語のエチオピアで冷遇されていた少数民族からも登用されたという。ただ、エチオピア国会は、首相の所属する政党一党によって占められている。選挙は小選挙区制だ。これは民主主義にとって大問題だと思う。
ノーベル平和賞は、ノーベル委員会委員長によって、昨日、オスロのヘンリック・イプセン通りにあるノーベル・インスティチュートから発表 された。彼女の発表に「エチオピアの平和と民主化の実現には長い道のりがあり、まだ成し遂げられていない」という表現があり、気になった。多くの困難が待ち受けているのだろう。