2019年 09月 30日
ラグビーワールドカップと日本の選挙
ラグビーワールドカップが日本で行われている。世界の目が日本に注がれているときこそ、日本の選挙を考えてみよう。
こんな出だしの記事がイギリスの「選挙改革協会」に掲載されていた。筆者はウェールズのマシュー・マティアス(Matthew Mathias)。抄訳して紹介したい。
「イギリスと日本は立憲君主制、二院制など似ている点がある」
「しかし、日本の人口は、英国のほぼ2倍だ。しかるに、下院(日本の衆院)の議員数は、イギリス650人に対して、わずか465人である」
「衆院は小選挙区制と比例代表制のミックス方式だ。衆議院議員の60%以上はイギリスと同じ小選挙区制選挙で、残りの議員は比例代表制で選ばれる。ところが、スコットランド、ウェールズ、ロンドンの比例代表制と違って、日本の比例代表制は、小選挙区制による不均衡(得票率と議員率が比例しない)を埋め合わせることはない」(注)
「衆院は、7つの政党と少数の無所属議員で構成されていて、最大政党は安倍晋三が代表する自民党である。保守主義のこの党は、何年かを除き、1955年からずっと日本の権力の座にある」
「2017年の衆院選で、再び、安倍自民党は歴史的支配を盤石なものとした。うらやましい限りだが、それが投票率と議席数の間に不均衡という深い溝を生じさせている小選挙区制によると知ったら、あなたはショックを受けるに違いない。自民党は、48%の得票率で、218選挙区の75%を獲得したのだ」
「この一党支配の国は、議席の多数が比例代表制で選ばれていないためであり、主権者が置き去りにされている理由はあまりにも明らかである。世界の『民主主義インデックス』 によると、日本は政治参加が低く、『欠陥のある民主主義』とされている」
ラグビーワールドカップは、11月2日に優勝決定戦を迎え、1点でも多く得点をとった方が優勝する。「勝者がすべてを獲る」(=小選挙区制)は、スポーツならいいだろう。しかし、マシュー・マティアスが言うように、多様な声をすいあげるべき議会の議員を選ぶには、ひどい方法だ。
文中にある「世界の民主主義インデックス」で、毎年1位に輝くノルウェーは、100年も前から比例代表制選挙だ。ノルウェーばかりか、上位にある国々の多くは、比例代表制で選挙をしている。
日本では、耳をふさぎたくなるような発言をする議員が大臣になっている。そんな体たらく大臣も、その任命責任者安倍首相も批判など歯牙にもかけないのは、次の選挙も当選確実だからだろう。小選挙区制とは恐ろしい選挙制度だ。

■民主主義コンテスト 世界1はノルウェー、日本は20位
■民主主義度1位ノルウェー、23位日本
■ 世界一民主的な国
【注:スコットランド議会、ウェールズ議会、大ロンドン議会は、小選挙区比例代表併用制で選挙が行われている。併用制は日本の並立制と言葉は似ているが、質的に違う。ドイツがとっている選挙で、政党の議席数は比例代表制で決まる。しかも、日本の比例区のように政党の票数を1,2,3・・・という除数ではなく別の除数で割る方式だ。その方式だと小選挙区で当選できない小政党が救われることが日本の方式より多い】

