2019年 07月 27日
支持2割以下で議席5割以上のカラクリ(2019参院選)
参院選の報道によると、女性候補者は全体の28%と過去最高だったが、当選者は22.6%と前回並みだった。
政党別に見ると、男女1人ずつ2人当選したれいわ新選組が50%で、もっとも高かった。ほか高い順に、共産党42.9%、立憲民主党35.2%、自民党17.5%、国民民主党16.7%、公明党14.3%、日本維新の会10%。
上の円グラフは、選挙区について、全有権者に占める自民党の支持割合を出している東京新聞(2019.7.23)にならってつくった。
自民党は選挙区74議席のうち38議席、51%をとって他党を圧した。ところが、全有権者に占める得票割合を示す「絶対得票率」は2割以下だった。
投票率48.8%と低かったことが、この民意を歪めた結果を生んだ「大きな要因だ」と東京新聞は分析する。しかし最大の要因は小選挙区制選挙だからだろう。大都市を別として、1選挙区から1人しか当選しないところが32もある。この32は完全な小選挙区制だ。野党は1本化で対抗したものの、結果は、自民党22、立民1、国民1、無所属8だった。
小選挙区制は、1票でも多くとった候補者しか当選しないシステムだ。ほかの候補者に入れた膨大な票は「死に票」となってごっそりどぶに捨てられてしまうのだ。自民党の牙城と化している選挙区で、投票しようという人が増えないのは当たり前だ。たとえ野党第1党に見込みのある選挙区であっても、ほかの小政党支持者が勇んで投票所に足を運ぶはずはない。
低投票率は民主主義の危機に違いない。が、「投票率をあげよう」だけでは限界があるのは明らかだ。それに、女性候補の少ない自民党が多く当選する、このシステムをつづける限り、男女半々への道は遠い。
石川真澄が繰り返したように、「小選挙区制は非常に悪い制度である」と、これからも叫ぼう!
▲1人選挙区の熊本県。当選したのは自民党の馬場せいし候補。小選挙区制の結果、あべ広美候補に投じた票を含め29万3203票が「死に票」となった。