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熊本地裁にてハンセン病隔離政策に怒る

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「控訴をしないこととした」と、ハンセン病家族裁判の熊本地裁判決に対して安倍首相は控訴断念のコメントを出した。


参院選が近いので、本心はどうあれ控訴しないのではないか、との憶測が流れていたが、その通りだった。


熊本地裁の遠藤浩太郎裁判長(佐藤道恵裁判長代読)は、628日、ハンセン病患者の家族の主張を認める判決を下した。


朝日新聞によると、「ハンセン病隔離政策などにより、患者の家族が大多数の国民らによる偏見差別を受ける一種の社会構造を形成し、差別被害を発生させた。被害の実情は①村八分 ②就学拒否 ③結婚差別 ④就労拒否 ⑤進路や交友関係など人生の選択肢の制限 ⑥家族関係の形成の阻害といったものが含まれる。これらの差別被害は個人の尊厳にかかわる人生被害であり、また生涯にわたって継続しうるもので、その不利益は重大である」


判決文要旨を読み、この国の、途方もない差別野放し政策、隔離政策の恐ろしさに戦慄を覚えた。


76日、熊本に行く用事があったので、合間を縫って熊本地方裁判所に向かった。熊本地裁は、その昔、ハンセン病患者が集まって住み着くようになっていた本妙寺周辺からそう遠くないところに位置していた。本妙寺の周りの集落とは、79年前のちょうど今頃--7月9日とあるーー、厚生省や熊本県の決定を受けた警官や療養所職員が奇襲して、ハンセン病患者や家族を強制収容した場所だ。本妙寺事件として知られている。


当時の報告書は「刈り込み」「収容」をこう記している。


「男65、53、未感児28、非らい11、計157名を刈込み、トラック及び患者用輸送自動車にて、九州療養所に運び、男は警察留置所、女は監禁室に夫々分割収容いたし申候」


79年前、裁判所前のこの同じ道を、たくさんの悲鳴を乗せたトラックが通ったかもしれない、と立ちすくんだ。


判決文は、日本の差別の根の深さ、そのしわ寄せを一身に受けた家族の苦しみをあらためて思い知らせてくれた。それを書いた遠藤浩太郎裁判長や裁判官、提訴に踏み切った原告団、法的に支えた弁護団に敬意を表しつつ、国の政策転換を願ってのささやかすぎる熊本地裁訪問だった。


参院選まっただ中。熊本市庁舎と熊本市議会棟の前では、候補者のポスターが笑っていた。


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ハンセン病問題基本法

ハンセン病国賠訴訟

ハンセン病家族訴訟弁護団





by bekokuma321 | 2019-07-13 16:43 | その他