2019年 04月 06日
麻生王国 女性県議候補ゼロ
塚田国土交通副大臣が副大臣を辞任した。安倍総理と麻生副総理の地盤である下関と北九州間の道路事業を、「忖度して再スタートさせた」などと言ったのだ。
麻生派と反麻生派で分裂している福岡県知事選の麻生派候補での集会だったという。この集会で、塚田副大臣は、「麻生太郎命、一筋でやってきた。筋金入りの麻生派です」とも言っている。命あずけた親分のためなら、忖度など目じゃない。彼は、「事実と違うことを言った」のではない。本音中の本音だったと思う。
麻生太郎衆議院議員の選挙区は福岡8区だ。県会議員に11人が立候補している。驚くべきは、候補者11人はオール男性であることだ。
福岡8区は、直方市、飯塚市、嘉麻市、中間市、宮若市、遠賀郡、鞍手郡、嘉穂郡の8つだ。住民は当然ながら男女半々。なのに、ただ1人の女性も県会議員選に立候補できなかったのだ。結果、4月7日の投票日には、どんなに女性に票を入れたくても、できない。
しかも今回は、「候補者男女均等法」が施行されて初の選挙だ。国会で法が成立した際には、麻生太郎も一票投じた。副総理いえ麻生親分が、「候補者男女均等法」を守るため、女性候補を擁立せよと、一声かければ、「女性候補ゼロ」にはならなかっただろう。
実のところ、数々の女性差別的暴言をはいてきた麻生親分、最後まで男性だけで固めたかったにちがいない。こう思う親分の意向を忖度した子分の判断だろう。
ただ、盤石の麻生王国にも変わりゆく兆しがある。
冒頭の福岡知事選がその表れだ。そして、麻生太郎の主たる選挙区であり「女性ゼロ議会」である直方市や飯塚市に女性が立候補しようとしている。
直方市議選には、政党から2人、無所属から1人の3人の女性候補が出る予定だという。女性団体は、女性ゼロ議会を脱出めざして、超党派で女性を応援しようという看板を、市内のあちこちに初めて掲げた(「パリテの会@直方」)。
飯塚市で無所属で立候補をめざすのは、金子かよさん。金子さんは、ハンディをかかえた子どもの保育・教育にもっと政治の光があたるべきだと考えたのが、議会に関心を抱いたきっかけだという。女性が無所属・市民派で挑むのは、麻生王国の息がかかったところでは、その苦労は並大抵ではないはずだ。しかし、飯塚市は「女性ゼロ議会」でもあり、超党派で支援の動きが広まっているそうだ。
【写真 最上と最下:FEM-NEWS, 福岡県議候補ポスター掲示板は「パリテの会@直方」の藤田智子撮影】
【更新:20190407】