2019年 03月 18日
クラクフと女性「コペルニクスは女性だった」
クラクフは、16世紀ワルシャワに遷都されるまでポーランドの首都だった。古い町並みはユネスコの世界遺産第1号だという。
そんなクラクフに溶け込むように「クラクフは女性だ」と書いたメスマーク付きポスターが掲げられている。5枚シリーズだ(上)。
女性の権利のために闘い、女性の地位向上に貢献したクラクフの歴史上の女性たちが、写真入りで解説されているのだ。5枚目には、クラクフで学んだコペルニクスを登場させて、「その昔、コペルニクスは女性だった」(写真最下)。エーッ、な、なんだって。すると、続いて、「有名なSF映画『セックスミッション』ではコペルニクスは女性だったのですから、クラクフも女性だと考えられるでしょ」と。そのキャッチィさに思わず笑った。
クラクフ市役所に行って担当したという市職員Justyna(女性)に取材した。
「あなたのような反応があると、作成した意義を感じます。うれしいです。女性は、このように特別にとりあげないと、歴史にうずもれてしまいます。ポスターが展示されている場所は、さまざまなテーマのお知らせをする場です。『クラクフは女性だ』の展示期間は今年の1月から4月までです。もとはといえば、昨年、ポーランドは女性参政権100周年を迎えたのですが、それがきっかけです。企画したのは、ここで働く市長担当の女性2人なんですよ」
サイズはかなり大きく、大人の目の高さに展示されている。市の観光案内オフィスと、市役所前の広場なので、これなら通行人、市役所に用事のある人たち、すぐそばにある公共の乗り物を待つ人たちの目にとまる。英訳付きだから、国内だけでなく世界中からやってくる大勢の観光客も、足をとめる。
日本の地方自治体も、少しは考えたらどうだろう。故郷に貢献した女性は数えきれないほどいるはずだが、多くは忘れ去られている・・・。