2018年 11月 27日
11.25 女性への暴力撤廃デーに
11月25日は女性への暴力撤廃デー。女性への暴力撤廃は、年1回でなく、年から年中キャンペーンをしなくてはと思う。でも、年に1回でもやらないよりはましだ。メディアがとりあげるからだ。
「2017年、世界の他殺被害女性の半数以上は、夫、恋人など親しい間柄にある人によって殺された」
BBCは、11月25日、こう大見出しで訴えた。わかりやすいグラフつきだ。殺人事件被害女性の58%は、親しい間柄の人物が加害者である。だが男性の場合、20%でしかない、と報じている。
女たちは、気をゆるしている身近な相手から殺されているのである。世界中で。
さらに、女性への暴力は、戦争において、もっとも極端かつ残酷なかたちであらわれる。今年のノーベル平和賞が、その戦時下の性暴力と闘う2人に授与されることになったが、そのことで、あらためて戦時下の性暴力を考えさせられた。

この戦時下の性暴力についての本を、先月、偶然、読んだ。
『1945年・ベルリン解放の真実――戦争・強姦・子ども』 。ヘルケ・ザンダー&バーバラ・ヨール編著。翻訳したのは寺崎あき子・伊藤明子。1996年、パンドラ発行、現代書館発売。
20年前に読んだと思ったが、途中でやめたらしい。今でも、この重い内容を読むのは楽ではなかった。どこに行くときも分厚い本を持ち歩いて、2週間かけて読了した。目をそむけたくなるような表現が多く、パタンと本を閉じてしまったこともある。FEM-NEWS11月10日にアップした引用文から厳選して再掲する。
「非常に多くの若い女の子が強姦された。当時、13,4歳で、自分に何が起こったのかまったく理解できなかった多くの女たちと、わたしは話をした。大半は、その後二度と男と寝ることができなかったり、『性行為というもの自体に対する嫌悪感』を強めることになった。たいていの場合、女の子たちは強姦されたことについて誰とも話すことができなかった。自殺したり、自殺に追いこまれた者も多かった。」
「多くの女たちは何度も強姦されて重傷を負い、不治の障害が残った。無月経のため、妊娠に気づくのが遅すぎて、子どもを産まざるをえなかった女たち、彼女たちは今日もなお差別と結びついている、シングル・マザーとしての将来が待っていた。結婚している場合は、『私生児』を連れて夫のもとに帰ることは許されなかった。子どもが欲しいと思った場合でも、こういった理由から養子に出したり、病院にそのまま置き去りにしたりすることがよくあった。子どもを産んだ女たちは、トラウマのために、子どもとの関係が非常に歪んでいることがしばしばだった。これはそのような子どもたちの話からわかったことである。子どもが常にあの暴力行為を思い出させるからだった」
「強姦の次に待っていたのは苦痛に満ちた性病と婦人科の手術であった。会陰が肛門まで裂けていた10歳から16歳までの少女たちは、病院で縫合しなければならなかった。その後、何年たっても女たちは強姦のもたらした結果に苦しんだ。『個人的な恥』への不安、絶望、そして夫や婚約者の態度――強姦された女性を置き去りにすることもしばしばであった――は、暴力行為を受けたあとで多くの女性を自殺へと駆り立てた」
この力作を日本に紹介した最大の功労者は、ドイツ翻訳家の寺崎あき子さんだ。彼女は、先月末、永眠した。最期は苦しむことがなくとても安らかだった、と看取った友人が話してくれた。
■GLOBALSTUDY ON HOMICIDE Gender-related killing of women and girls 2018

