テニス界の性による二重基準(USオープン)

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USオープンで、大坂なおみは勝した。しかし彼女の表情は、6-2, 6-4のスコアで優勝したようには見えなかった。次々に流れてくるニュースによると、特殊な事態の下での優勝だった。大快挙を成し遂げた大坂なおみにとっても幸運な初優勝だったとはいえなかったようだ。


ファイナルの相手はセレーナ・ウィリアムズ。テニス界のスーパースターだ。USオープン優勝23回をはじめ数えきれないほどの偉業をなしとげてきた。


それだけではない。女性差別、黒人差別反対運動家でもある。しかも、昨年、念願の赤ん坊を産んだ。難産だったうえ、出産後、血栓をはじめ数々の病気を克服しての職場復帰に、ファンは大きな声援を送った。女性運動のメッカともいうべきニューヨーク、その郊外にあるフラッシング・メドウのテニスコートは、セレーナ・ファンで埋まった。


対する大坂なおみは、物心ついたときからセレーナの大ファン。試合前から彼女はそう語っていたそうだ。


今回、セレーナは3回の違反行為で大きく減点されたが、第1回目の審判が彼女の逆鱗にふれて、それが試合中ずっと後を引いたといえる。その1回目の違反とは、コーチは選手にコーチングをしてはならないとされているが、セレーナのコーチ(パトリック・ムラトグルー)がセレーナにコーチングしたというものだった。そう判定した審判に対して、セレーナは声を荒げた。


「私はコーチングを受けてない。不正はしていない。そう伝えるべきだ。私は、これまで一度も不正をしたことはない。私には娘がいる。謝罪すべきだ」


後にセレーナのコーチは、「コーチングをした」ことを認めたが、「彼女は見てなかった」とも続けた。しかも彼は、「みんなやっていることだ」とも。


このコーチングの有無は不明だが、それよりセレーナの逆鱗にふれたのは、テニス界の性による二重基準だ。女性差別と戦うことを公にしてきたセレーナは、「審判の基準が、男女で違う」と主張している。つまり、第一に、コーチングはよくあることであり、第二に、男性プレイヤーに対してコーチングがあっても見逃されて、こんなふうに厳格に違反だとされたことはなかった、というのだ。


コーチングを受けたとされた判定は間違いだとするセレーナの怒りはおさまらない。セレーナは、ラケットをコートに叩きつけた。それに審判は、2度目の「注意」を与えて1ポイントのペナルティとした。その審判行為に対してさらに彼女は怒り続けた。今度は、審判に対する言葉の暴力とされた。


セレーナは言った。

「これまで男子プレーヤーが審判に物言いをしてきたシーンを見てきた。私は女性の権利と平等のために戦うため、ここにいる」


テニス界の賞金に大きな男女格差があった時代から性差別撤廃に取り組み、男女同一賞金額達成に貢献したビリー・ジーン・キング というテニス界のレジェンドがいる。彼女のコメントは、秀逸である。私なりに和訳する。


「女性プレーヤーが感情的になると、ヒステリーと言われてペナルティを受ける。もし男性プレーヤーが(審判に異議を唱えたセレーナと)同じ事態になっても、彼は『ズバズバ言う人間』だと思われるくらいで、何の影響もなかっただろう。(女性に対してと男性に対してで対応が違う)二重基準である、と突きつけてくれたセレーナ・ウィリアムズよ、ありがとう。男女同一になるまでにはもっと多くの声が必要だろう」


さらにこんな提案をした。


「コーチングはすべてのテニスに認められるべきだ。そうでなければ、テニスプレイヤーが彼女のコーチの行った行動のために違反にされるという結果を生む。こんなことが起きてはならない」



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by bekokuma321 | 2018-09-10 12:12 | USA