妻のキャリア優先で大臣を辞任(ノルウェー)

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ノルウェーの運輸・通信大臣が、先週、大臣を辞任した。報道によると、妻のキャリアを優先したためだという。


彼の名はヒェーティル・ソールヴィーク=オルセンKetil Solvik-Olsen15歳から進歩党青年部で活躍してきた政治家だ。


ノルウェーでは2013年、2017年と国政選挙があったが、候補者リストの当選圏内への登載を望まなかったことから、彼は、国会議員ではない。国会に議席を持つことを優先しなかったのは、医師である妻との間で交わした「仕事と暮らし(2人の子がいる)の両立」を考えてだったと報道されている。


国会に議席はないが、彼は、大臣であり、かつ進歩党副党首の重責にある。進歩党は、保守党よりさらに右寄りの政策をとる。メディアに「極右政党」と形容されることも多いが、この一件からすると、ずいぶん革新的だ。


ソールヴィーク=オルセン大臣は、「1年間、世界でもっとも素敵な仕事につけて、幸運でした。次は妻の番。彼女のキャリアを優先したい」。彼の妻は医師。アメリカのアラバマ州にある子ども病院から招へいされて1年間滞米することになったらしい。「2019年の国政選挙には帰国します」と党のホームページに語っている(写真)比例代表制選挙ならでは、だろう。


でも、大騒ぎするほどのことではない。私が知っているだけでも、ノルウェーでは1990年代、子ども家族省のマッツ・サンマン大臣(労働党)が大臣を辞任した。彼の辞任理由は、「家族とすごす時間が少なすぎます。もっと子どもと一緒にいられるようにしたい」だった。当時の首相グロ・H・ブルントラントは「残念です。でも、このことは、今日的優先課題のひとつの表れと見るべきです」とコメントした(三井著『桃色の権力』三省堂、p37)。


労働党で1990年代に表れた、大臣より家族を優先する男性政治家が、4半世紀かかって、進歩党にも出現したと見るべきかもしれない。

日本に、このような男性政治家が表れるのはいつだろう。



Solvik-Olsen går av som statsråd
NorwayTransport Minister Quits Post to Support His Wife’s Career

男性大臣2人の育休







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by bekokuma321 | 2018-09-02 19:41 | ノルウェー