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メキシコは正真正銘の候補者男女同数

先日、日本に「候補者男女均等法」ができた。選挙候補をできるだけ男女を同数にするよう政党に「お願いする法」だ。強制力はない。

一方、この7月に国政選挙と地方選挙を迎えるメキシコでは、政党は、候補者名簿(リスト)を作る際50%クオータ制を守らなければ、選管に受け付けてもらえないらしい。

メキシコの選挙法は、IDEAによると、ドイツ方式で、比例代表制を基本とした併用制だ。2014年、その比例代表制の候補者名簿(リスト)は、男女同数にしなくてはならないという法律になったという。

男女同数の法律がいかに厳しいか。おもしろいニュースが飛び込んできた。

「トランスジェンダーであり、今は女性である」と偽って立候補した男性がいたことだ。メキシコ南部のオアハカ州の地方選に立候補した17人は、見た目は男性だが、心は女性であるとして立候補。しかし、その嘘がばれて、女性からも、トランスジェンダー組織からもごうごうたる非難がわいた。その政党(複数)は「女性を見つけられなかったため」と弁解しているらしい。

国会における女性議員率の国際比較によると、メキシコは北欧なみの女性率を誇る。下院500人中、女性は213人、割合にして42.6%。世界第9位(注)。国会議事堂に200人をゆうに超える女性が座っているとは。想像しただけで、壮観だ。

同じ統計で、わが日本は10%で160位。メキシコとの間には、151もの国々がズラリ居並ぶ。


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 ▲2018年メキシコ総選挙の政党ごとの男女別候補。赤が男性、青が女性。どの政党もほぼ男女同数である。メキシコの広報サイトより

Mexico Seeks to Empower Women in Politics
Mexican women in politics: no glittering careers and no real power
Mexico election body blocks 17 male candidates masquerading as transgender women

【注】最新IPU調査によると、女性議員の多い世界トップ10のうちラテンアメリカが6つ。キューバ、ボリビア、グラナダ、ニカラグア、コスタリカ、メキシコ。ほぼすべての国が法律でクオータ制を義務化しているようだ。
by bekokuma321 | 2018-06-03 14:36 | 中南米