2018年 06月 01日
おめでとう斉加尚代TVディレクター!
優れた放送番組などに贈られるギャラクシー賞の贈賞式で、テレビ部門の大賞に毎日放送「教育と愛国~教科書でいま何が起きているのか」が選ばれた。
毎日新聞によると、テレビ部門大賞の毎日放送ニュースセンター番組部の斉加尚代ディレクターはこう語っている。
「学校の先生たちがここ数年、とても息苦しさを感じているとの声を聞き、教育現場で何が起きているのかという問題意識から取材を始めた」とし、「『反日』という言葉がいつのまにか私たちの暮らしの奥まで来ているということを取材で痛感した」。
斉加尚代さんといえば、大阪府豊中市を相手どって裁判をしたとき、並々ならぬ関心を寄せ取材を続けてくださったMBSのTVディレクターだ。作品はテレビニュースで何度か流れた。
大阪豊中市男女共同参画推進センター「すてっぷ」の館長だった私(三井マリ子)は、日本会議系の議員やその支援者たちによる市幹部への政治的圧力によって、突然、職を追われた。
今でこそ、日本会議は日本最大の右派ロビー団体であることが知られている。しかし、当時は知る人は多くなく、ある地方都市の女性センター館長が解雇されてもめているらしい、程度だった。
しかし斉加さんは違った。彼女は、排除されるに至った私に対する執拗な嫌がらせの陰に、全国的右派政治勢力の存在を見抜いた。彼女の洞察力・取材力は確かだった。日本会議系の北川悟司市議会議員や西村眞悟衆議院議員から驚くべき発言を引き出してニュース番組を制作した。
結局、素晴らしい弁護団と右翼嫌いの裁判長と多数の友人たちのおかげで、私は大阪高裁で勝訴。相手の豊中市は、最高裁に上告したが門前払いされた。斉加さんは、最高裁勝利を祝う会にも駆けつけてくれた。
日本のテレビ局で働く女性ディレクターは多くない。上司の嫌がらせ、子育ての困難、夫の協力のなさ・・・泣く泣く途中で退職する女性も多いはずだ。斉加さんの受賞は、彼女の次なる作品へのエールになるだけでなく、後に続く女性たちにとっても大きな励ましとなること間違いない。
斉加さん、2018年のギャラクシー賞受賞、ほんとうにおめでとう!
▲「私は、最初からこの裁判は勝てるような気がしていました」。2011年5月、勝利を祝う会での斉加尚代さん
■豊中市女性センター館長の不当解雇 三井マリ子さん最高裁で勝訴 (Youtube。斉加ディレクター制作の「MBSニュース」)
■ベリット・オース、豊中市、日本会議
■読者は二つの怒りを体験する:『バックラッシュの生贄』を読んで
■「日本会議」に向かって闘いを挑んだ本:『バックラッシュの生贄』を読んで
■今も続く右翼的攻撃の楯となる本:『バックラッシュの生贄』を読んで
■ファイトバックの会
■山谷えり子国家公安委員長と在特会幹部増木重夫の関係
■ 男女平等を嫌う反動勢力の実像~日本にはびこるバックラッシュ現象~