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父親と母親の育休条件格差でノルウェーを提訴か

ノルウェー政府が、父親を差別しているとして、国際機関から提訴されるもようだ。

ノルウェー王国大使館のトム・クナップスクーグ参事官から、ノルウェーの保育サービスの充実ぶりを聞いたばかりだ。

ノルウェーの育休は、給与100%で49週間、80%で59週間。このうち、母親、父親にそれぞれ10週が強制的に割り当てられる。それ以外は両親のどちらがとってもOKだ。ほかに希望する1~5歳の子の保育園は100%確保されていて、現在1~5歳の90%以上が保育園に通園している、という。

いったい、ノルウェー法制度の何が問題となのか。

報道によると、欧州裁判所は、ノルウェーの父親の親休暇権は母親と同一ではない、と結論づけた。

理由は、父親が育児休業を取得するには、子どもの母親が雇用されているか学生であるかという条件が必要だ。しかし、母親の育児休暇にはこうした条件は適用されない。欧州自由貿易協会 (EFTA)は、ノルウェーの育休法制度は欧州の男女平等指令に違反している、と言っているのだ。

この問題は、2015年以来、欧州裁判所で扱われ、ノルウェーの父親から「差別だ」との証言が何件か提供されたという。2016年からは、和解の場も設けられたものの、合意には至らなかった模様だ。

対するノルウェー政府は、ノルウェーの父親休暇の規則は欧州の男女平等指令を侵害しないと譲らない。家族問題や男女平等政策を推進する「ノルウェー子ども平等省」は、父親が育児休業をとっている間、女親がより多く働き続けるようにという趣旨の規定であり、ひいては職場における男女平等を促進することになる、と主張している。

hESA tar Norge til EFTA-domstolen for diskriminering av fedre
Agency takes Norway to European court for discrimination against fathers


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    ▲産まれたばかりの赤ちゃんのおむつを変えるパパ(オスロ)

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    ▲ベビーカーを自転車の後ろにつないで、サイクリングするパパ(オスロ)

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    ▲イチゴを口の中で小さくほぐしてから子どもにあげるパパ(ヘードマルク)
by bekokuma321 | 2018-05-08 23:13 | ノルウェー