ノーベル文学賞選定機関の女性蔑視

ショッキングなニュースが、スウェーデンから届いた。ノーベル文学賞を選考するスウェーデン・アカデミー初の女性事務局長サラ・ダニウスが、先ごろ辞任した。実は更迭のようだ。

世界に伝播し、女たちからの訴えが堰をきったように流れ出した#MeToo運動。ストックホルム在住のビアネール多美子さんの記事などによると、スウェーデンはとりわけすさまじかったと伝えられているが、それと関連する。

男女平等先進国の、しかもノーベル賞選考機関という権威の塊のようなところでさえ、女性が尊重されていない。男尊女卑の根深さにがくぜんとした。

サラ・ダニウスは、事務局長の座を去ったが、黙ってはいなかった。アカデミーの女性蔑視、なれ合い、身勝手さと闘ってきたことを文書で明らかにしたのだ。彼女の毅然たる表現に、心から敬意を表する。私も見習いたい。

「スウェーデン・アカデミーは、女性を貶める古臭い力関係や言葉に対してはっきり対峙する力であるべきだ」

「倫理は、最上壇に置かれるべきであり、ものごとを決める際、対立や守秘義務に関しては厳格なルールに従うべきである。犯罪や窃盗行為は起訴されるべきであり、法的執行機関に報告されるべきものである」

「相続したものを守るために傲慢になってはいけないし、広い世界から距離を置いてはならない」

「党派的傾向は、現代には不要である」

「伝統がすべて保存に値するわけではない」

ことの発端は、アカデミーのメンバーである作家Katarina Frostensonの夫が、セクハラを繰りかえしていたと、女性18人が#MeToo運動で告発したことだ。アカデミーは、セクハラ疑惑男性の妻の留任を決めた。ところが、別のメンバー3人が、抗議の辞職に至った。こうした対応をめぐって、アカデミーに批判が寄せられていたのだという。

辞職した事務局長サラ・ダニウスのトレードマークは、ボータイブラウス。彼女の無念の辞職後、何人もの女性たちが(数人の男性も)ボータイブラウスをまとって、サラ・ダニウスへの支持を表明している。なんとも後味の悪い事件だが、女性同士の連帯の強さに、救いを感じた。


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 ▲2018年2月10日号のI女のしんぶんに報道された、スウェーデンの#MeToo運動。ビアネール多美子さんによる記事

'Not all traditions are worth preserving': ousted Swedish Academy head Sara Danius
Swedish Academy's first female head ousted after #MeToo scandal
De visar sitt stöd för Sara Danius med knytblus
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by bekokuma321 | 2018-04-17 21:13 | 北欧