「政治分野における男女共同参画推進法案」可決

4月11日、衆院内閣委員会で「政治分野における男女共同参画推進法案」が可決された。今国会での成立は確実だろう。

「政治分野における男女共同参画推進法案」には、衆議院をはじめ参議院や地方議会の選挙の際、政党に候補者の男女比率を「できる限り均等」とするようにと明記されている。女性の候補者数と男性の候補者数をできるだけ同じにするよう、政党に対して法律で求めたことは、遅きに失したとはいえ、意義深い。

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しかし罰則はない。残念だが、政党が女性候補者を増やさなくても痛くもかゆくもない。ここで重要なのは女性党員や支持者の力だ。選挙に先立つ候補者選定過程で「候補者を男女半々にしないのは違法だ」とどれだけ強く求めていけるかだ。

有権者も、女性候補者を増やさないような政党にはノーをつきつけよう。そうでなくては、せっかくの法も絵にかいたモチになる。

内閣委員会の中継(Youtube、上の画像をクリック)によると、中川正春議員(無所属の会)のあいさつに続き、畑野君枝議員(共産)が発言。「できる限り同数は、と、できる限り均等は、法的には同義であることが確認されて、今回の法案となった」と念を押した。「均等は同数ではない」などと女性に席を譲りたくない人たちが詭弁を弄したら、これを使おう。

さらに、畑野議員は、以前、内閣府男女共同参画会議がとりまとめた女性議員増と選挙制度の関係に触れた。

「小選挙区制よりも中選挙区、大選挙区、比例代表制のほうが多様な民意が反映されやすく、女性議員の割合が高くなる」と、報告書から引用して、小選挙区制の見直しを訴えた(内閣府報告書の当該部分は、左下More参照)。


衆院内閣委員会 政治分野における男女共同参画推進法案起草案採決 2018年4月11日(Youtube)
余りに低い都道府県議会の女性率
2017衆院選 微動だにしない男性偏重政治
2017衆院選の政党別・性別候補者
女性議員増「比例代表制&多数定数選挙区で」
選挙制度は政治を根本から変えた(ニュージーランド)
推進法成立を求める国会議事堂前マーチ
来年こそ「政界への女性推進法」を
「身を切る改革」どころか「民意を切る改革」(全国フェミニスト議員連盟要望書)
政治分野、行政分野、雇用分野及び科学 技術・学術分野におけるポジティブ・ ア ク シ ョ ン の 推 進 方 策(PDF文書)






男女共同参画会議 基本問題・影響調査専門調査会 報告書 ~最終報告~ 平成24(2012)年2月

【第2部】 政治分野、行政分野、雇用分野及び科学 技術・学術分野におけるポジティブ・ ア ク シ ョ ン の 推 進方策

ウ 選挙制度と女性の政治参画
○ 我が国の国会議員選挙や地方議会議員選挙において、一般に死票が多
くなる小選挙区制より中選挙区制・大選挙区制や比例代表制の下での方
が多様な民意が反映されやすく、女性議員の割合が高くなる傾向が見ら
れる。
○ 我が国では、昭和 58 年に参議院議員選挙の定数の一部に比例代表制が
採用され、平成8年に衆議院議員選挙に小選挙区比例代表並立制が採用
されてから、国会議員に占める女性の割合が上昇している。
○ 都道府県議会では、平成 23 年 4 月の統一地方選挙において女性議員ゼ
ロの議会はなくなったものの、町村議会においては女性議員ゼロの議会
が4割近くもある。男女共同参画社会基本法の制定から既に 10 年余り
が経過した現在、住民生活に身近な政治を行う地方議会がこのような状
況であることは憂慮される。なお、都道府県議会議員選挙の選挙区定数
と女性議員の割合について、平成 23 年3月末時点で各都道府県議会の
ホームページに掲載された情報に基づくと、一人区では女性議員の割合
が3%台にとどまっているのに対して、四人区では 11%台、六人区では
22%台となっている。
○ 都道府県議会議員の選挙制度については、郡市の区域によるとしてい
るために、平成の大合併の影響によって一人区となる選挙区が増えてい
ることが、女性議員の選出を更に困難にしており、市区町村の区域によ
る選挙区割りに規定を改正すべきであるという指摘もある。
○ また、地方公共団体の長は一人区と同様に女性の選出が比較的困難で
あることを考えると、首長と議会が二元代表制の車の両輪として機能す
ることが、女性の意思を地方政治に一層反映することにつながるという
意見もある。
○ 選挙など政治にかかわる制度の在り方の見直しが行われる場合は、政
治の安定性、健全な政権交代、さらに、一票の重み(投票価値)の平等
など様々な観点から議論されるべきことは当然である。
○ 政治分野における女性の参画の拡大は、民主主義の在り方や今後の経
済社会の活性化に不可欠な男女共同参画の在り方に密接にかかわる問
題であり、選挙制度の在り方の検討において重要な論点として考慮され
なければならないことを強調しておきたい。
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by bekokuma321 | 2018-04-12 07:53