オリンピック一位ノルウェーの秘密

オリンピックの世界トップはドイツかと思っていたら、メダル30個のノルウェーだ。

世界の民主主義度と幸福度で世界一だとFEM-NEWSで紹介したが、冬季オリンピックも世界一とは。日本の30分の1ほどの人口の小国に、なぜこんなに強いアスリートが多いのか。

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ノルウェー・ファンの私の考えるに、幼い頃からスキーに慣れ親しんでいること、自然と近い生活が好きなこと、そして、長い平等の歴史を持っていること、が背景にある思う。

c0166264_21302997.jpgスキーの歴史は、ノルウェーの石器時代にさかのぼるそうだ。あの探検家アムンセンも、「スキーを下駄のように使いこなした」(本多勝一)ため、南極点に到達できた。昔は冬の交通手段でもあったスキー、今は長い冬を楽しむ代表的スポーツだ。友人たちから、つい先週も、週末、山にでかけ、クロスカントリースキーを楽しむ写真が届いた。

「ノルウェー人は、スキーをはいて産まれてくる」といわれるように、ノルウェー人は、幼い頃からスキーに親しんでいる。だけど、私の女ともだちは、「でもね、スキーをはいた新生児を産み落とすんだから、妊婦は、痛くて大変よ」と笑った。チゲェネェ。

そして、自然に高い価値を置いていることだ。保育園では、野外に出てのアクティビティがとても多い。子どもの頃から、防寒対策をしっかりして、遠足、散歩などなど、大空の下ですごす。

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何年か前、寒い冬に保育園を取材したとき、カチンカチンに凍っている庭に出て遊ぶ子どもたちを見た。先生は「マイナス10度までは、外に出て、遊びますし、昼寝もします」と私に言った。

c0166264_21325594.jpgそういえば、ノルウェー宅の寝室の寒いこと。零下20度の真冬でも、窓をあけっぱなし。自然のなかで寝ているかのようだ。

昨年、特別な時以外は毎日、外でほとんどの時間を過ごすという保育園を取材した。保育園の建物の後ろに広大な森が広がっていて、水車、野外ステージ、テントがポツン、ポツンとあった。テントの横には小さな簡易トイレまで。

c0166264_9211038.jpg「悪い天候などない、悪いのは服装だ」とノルウェー人がよく言うように、どんなアクティビティも雨天決行が当たり前。

幼いころから、大自然のなかで身体を鍛えているのだ。

だから大人になっても、週末は「森に行こう」。森を散策して水辺で一休み。小枝を集めて焚火をして、コーヒーを入れる。鳥の鳴き声、水の流れる音、木々を通り抜ける風…自然に抱かれての一杯は格別だ。

最後に、平等に高い価値を置く国民性。なんといってもノルウェーの強みはリレーなどチーム競技ではないだろうか。これだけ金メダルをとった覇者が多いのに、突出したスターは少ない。チームで勝利を勝ち取っている。ノルウェーを主導してきた社会民主主義政権は「連帯」を大切にして、貧しい人と金持の距離、市民と議員の距離、男性と女性の距離を縮めてきた。働く人は、4時頃には皆帰宅でき、男性も4週間の育児休業をとれる。家事育児の男女のシェアは当たり前だ。

社会民主主義による政治は、人間にとって最も基本である医療や教育(大学院まで)を無料にしてきた。だからこそ、貧しい親の子どもにも平等の教育機会が与えられ、その結果、能力と意志のある人間は伸びに伸びる。

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【2018年2月22日午前9時、更新】
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by bekokuma321 | 2018-02-21 21:55 | ノルウェー