2017年 01月 04日
和崎ハルの子孫が語る「ハルらんらん♪」
1月3日、「ハルらんらん♪」を、わらび座で見てきました。秋田の女性代議士第1号となった和崎ハルを描いたミュージカルです。私は、ハルさんのひ孫にあたります。曽祖母のハルさんについての思い出は、ハルさんの娘である祖母(高橋みさを)からよく聞いていました。
実は、市川房枝さんが来秋して、秋田市の金照寺山に建立された和崎ハルの石碑の除幕式があったのですが、その写真に3歳の私が写っているのです。祖母や母から聞いたそのときの様子と重なり合って、ハルさんの記憶がうっすらと残っています。
身内だからではなく、一人の人間としてハルさんの生き方に共感します。「ハルらんらん♪」も4回目です。
女性参政権行使70周年である2016年を記念して公演された「ハルらんらん♪」は、1月3日が千秋楽でした。年の初めなのに終わりとは皮肉ですが、ほぼ満席で、むしろ秋田県外の人が多いように見えました。
お正月3が日には「新春顔見世」と「俳優まつり」が行われます。とりわけ1月3日の「俳優まつり」は数々の舞台を沸かせた俳優さんたちが、各テーブルに次々と現れ、一緒にお酒を飲んで親しく語ってくれるという、フアンにとってはたまらない企画のようです。
お正月公演は初めてだった私は、きょろきょろしていましたが、ハルさんこと椿千代さんが、私の隣に座ってくれたため、じっくりお話できました。
椿千代さんは、191回という公演回数を代役も立てず主役の和崎ハルを演じきりました。舞台ではとても大きく見えたのですが、隣席の椿さんは、小柄で細身です。それでも、演じ終えた安堵感からでしょうか、自信に満ちあふれた風格をただよわせ、ふと、ハルさんと錯覚しそうでした。これからもずっと応援していきたい女優さんです。

さて、「ハルらんらん♪」を4回見て、ハルさんへの思いが錯綜しています。いろんな社会的圧力や社会通念のなか、ずっと貫きとおしたハルさんの平等思想はどのように生まれ育ったのでしょうか。
若い時のキリスト教会通いが影響したのでしょうか。舞台で、秋田高等女学校の桜子さんが、リンカーンの演説を英語で高らかに復唱する場面があります。秋田に当時そんな気風があったとしたら驚きですが、そういう自由な教育が、ハルさんをつくったのでしょうか。そうだとしたら秋田もなかなかやるなあと思ったのです。
「あらゆる人は平等・・・・・♪」という舞台に流れたメロデイーが今も耳から離れません。
ハルさんの行動は、「人はみんな同じだ」が原点であり、一生を貫いたエネルギーになっていると思います。人間に対しての暖かいまなざしや、権力者や強いものへの毅然とした行動、弱者への限りない愛など・・・・。
さらにハルさんは、戦争に対しての責任を他人のせいにせず、生命を生む女が止められなかったと言っています。私は、この姿勢が大好きです。人のせいにすれば自分は楽ですが、根本は何も変わりません。何事も主体的にならなくてはと思います。
女性の地位がまだまだ低かった時代、女性のために頑張って地位向上に粉骨砕身、行動したハルさん。女性参政権を求めて運動していたからこそ、参政権を得た戦後直後、衆議院議員に立候補して「権利の上に眠るな」を自ら実行したハルさん。そのハルさんの生きかたを忘れずに、今、自分が何をしなくてはならないか、考えたいと思います。
高橋 みどり(秋田県湯沢市稲川地区民正児童委員協議会会長)

参考リンク
■あけましておめでとうございます
■「ハルらんらん♪」から思う女性参政権
■女性参政権行使70周年を祝えるのか
■女性解放運動の先駆者早川カイ
■女性参政権行使70周年:今こそ「アベック投票」精神を
■ハルらんらん♪
■「祝!女性参政権行使70周年」記念はがき
■和崎ハル:廃娼運動と婦選運動
■参院選2016年と女性(2):女性参政権行使70周年
■参院選2016年と女性
■和崎ハル_1 武塙三山
■和崎ハル_2 武塙三山
■和崎ハル_3 武塙三山
■和崎ハル_4 武塙三山
■和崎ハル_5 武塙三山
■普通のおばちゃんの三井裁判傍聴記_佐々木厚子
【写真上:高橋みどりさん(横手市内、三井撮影)、中:「ハルらんらん♪」舞台にセットされた秋田高等女学校(わらび座、加島康博撮影)、下:女婿の作家伊藤永之介宅の跡地(横手市内、三井撮影)】

