2016年 09月 09日
ポルノか歴史的報道写真か
ベトナム戦争で、ナパーム弾爆撃を受けて逃げまどう人たちにまじって、裸のまま泣き叫びながら逃げる少女。覚えている人も多いだろうが、その写真は、世界に流されて反戦運動のシンボルにもなった。
最近、その写真を載せた記事が「アフテンポステン」に掲載され、それが、同紙のフェイスブックにも掲載された。
フェイスブックは、全裸の少女や女性の画像は載せられないとして、アフテンポステンに削除を要求するメールを送ってきた。
アフテンポステンによると、そのメールの24時間後、アフテンポステンからフェイスブックに返事をする前に、当該フェイスブックは削除された。ノルウェー首相のフェイスブックに対する批判的投稿まで削除された。
アフテンポステン側は、「フェイスブックは、ポルノグラフィーと歴史的報道写真を区別できないのか」と激しく批判。「これは深刻である。フェイスブックは巨大なメディアであり、その編集権を持つあなたMark Zuckerbergは、権力の乱用をしている」とする警告文を英語とノルウェー語で送った。その抗議文を同紙が公開。それが大きな議論を呼んでいる。
さて、当時9歳だった少女の名はキム・フック。皮膚の移植手術を数え切れないほどしたという。現在、2人の子どもの母となったキム・フックは、カナダ在住。「キム財団」を創設。戦争被害となった子どもの救済を中心に、世界で反戦活動をしている。財団ホームページを見たら、あの有名な写真もクレデット代を支払うと使用できるようになっている。
さあ、フェイスブックは、どう応えてくるか。
■Dear Mark. I am writing this to inform you that I shall not comply with your requirement to remove this picture.