2016年 08月 15日
難民選手団と女性マラソンランナー
女子マラソンの金メダルは、ケニアのジェミマ・スムゴング(Jemima Jelagat Sumgong)だった。子持ちの31歳。「ケニア史上初の金メダル!」と報道されている。とすると、女子マラソン世界記録保持者だったケニアのテグラ・ロルーペ(Tegla Chepkite Loroupe、1973年~)は、金メダルをとってなかったらしい。
報道によると、テグラ・ロルーペは、リオのオリンピックに参加した。
今回は、マラソン・ランナーではなく、「難民五輪選手団」の団長テグラ・ロルーペとして。
「難民五輪選手団」は、今回のオリンピックで初めて誕生した。難民代表団に選ばれた選手は10人(男6、女4)。10人のうち半数の5人、女性4人のうち半数の2人は、ケニアのナイロビ郊外にあるトレーニング・キャンプで、訓練を受けてきた難民たちだ。
難民からオリンピック選手を輩出したケニアのトレーニング・キャンプって、いったいなんだろう。
ネット情報によると、テグラ・ロルーペの率いるスポーツ学校だ。彼女は、世界のマラソンレースで優勝して獲得した自らの賞金をもとに、“テグラ・ロルーペ平和基金”を創設したのだという。
平和基金は、スポーツを通じて、紛争解決、平和構築、教育、環境、貧困の根絶、女性器切除などとくに女性の人権侵害の削減を求める活動を支援している。彼女自身、一夫多妻の家庭に生まれ、父親からは「役立たず」という名前で呼ばれていたという(New York Times)。
平和基金を象徴するロゴは、女性ランナーと平和のシンボル鳩がアレンジされている(写真)。
では、彼女の設立した平和基金から、リオ・オリンピック難民選手団として参加した一人の女性を紹介しよう。
アンジェリーナ・N・ロハリス。彼女は、6歳で親と離れ離れになった。逃亡した故郷南スーダンの「村は、すべてが破壊しつくされました」。「もっともつらかったのは空腹」だった。
アンジェリーナは、北部ケニアの難民キャンプにはいり、そこで、こどもたちの競走に参加して優勝した。彼女には意味がよくわからなかったが、競技のプロからいかに自分が速いかを伝えられて「驚いた」。リオ・オリンピックを皮切りに、世界の競技に出場し、もし賞金を得ることができたらーー後に生きていると知った「父親に家をつくってあげたい」と、いう(UNHCR)。
オリンピックは、愛国心高揚の場だ。そこに国を持たない難民たちが出たのだ。私なら、リオ・オリンピックのゴールドは、難民代表団に半数を送り込んだテグラ・ロルーペ、あなたにあげたい。
■Tegla Peace Foundation
■Tegla Loroupe Gives Refugee Olympians a Lesson in Hope
■UNHCR 10 Refugees Compete 2016 Olympics Rio
■まだ残るオリンピックの女性差別
■JOC、女子ボクシング出場機会奪う
■高梨選手と女子スキージャンプ
■女性がマラソンをすると胸毛がはえる

