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比例区、またまた削減

衆院の定数が削減された。確実に女性議員減につながる比例区削減も強行された。

衆院で審議はわずか3日間だった。参議院での結果は、あまりにも小さな記事だったため見逃しそうだった。

選挙法は憲法に等しいくらい大切な制度だ。それが、こんなに暗いやり方で、とおってしまうとは。

女性議員増を求めて20余年の全国フェミニスト議員連盟は、衆院での決定を受けて、抗議文を送った。連戦連敗ではあるが、絶対にあきらめずに、声をあげ続けよう。


■■女性議員減につながる比例区削減をした定数削減衆院委可決への抗議■■

2016 年 5月10日

衆議員議長  大島理森 様
参議院議長  山崎正明 様
内閣総理大臣  安倍晋三 様
総務大臣    高市早苗 様
一億総活躍大臣 加藤勝信 様
                
2016年4月27日、衆議院の選挙制度改革を審議する衆議院特別委員会は、衆議院定数を、「小選挙区6減、比例区4減」とする法案を可決しました。翌28日、衆院本会議を通過したことによって、衆議院は465議席となり、人口が現在の半分だった1925年の466議席より少なくなりました。

しかも、女性候補者当選率の高い比例区の定数を減らして、“女性の声の反映する政治”を求める国際社会の潮流に背を向けました。比例枠削減を含む本法案の可決は、女性や社会的弱者の民意を切る改革であることを指摘し、ここに強く抗議をします。
 
日本の女性が初めて参政権を行使した1946年、衆議院において466人中女性は39人で8.4%、現在は475人中45人で9.5%。70年間でわずか1%増でしかありません。

背景には、日本の選挙制度を含む社会システムが、女性議員増を阻んできた事実があります。

国連女性差別撤廃委員会は、かねてから日本政府に対して「クオータを含む暫定特別措置を通じて、政治的公的活動における女性参画増加のための努力」を求めてきました。クオータ制は、比例代表制と親和性があり、比例代表制選挙をとる北欧をはじめ世界各国において絶大な効果をあげています。

しかるに、日本では、小選挙区比例代表並立制の当初原案は、比例区250でしたが、1994年200に削減して成立。2000年180とさらに削減。それが、女性参政権70周年という記念すべき本年、176に切り捨てられることになりました。

女性議員の割合が世界190カ国中155位(衆院)の最下位ブロックの日本でこそ、女性や社会的弱者が当選しやすい比例代表制への抜本的変革が求められています。にもかかわらず、小選挙区制を維持したまま、比例枠を減らすという選挙制度関連法の改正案が可決されたことは、時計の針を逆に回すことです。

最後に、「選挙制度」という重要法案が、女性1人のみの委員会で審議されたこと、女性市民の声を参考人として聴取するどころか、市民への周知徹底が全くなされないままたった3日間の審議で結論を出したことに異議を申し述べ、委員の猛省を求めるとともに、参議院においては上記の点に考慮し、慎重な審議がなされることを強く求めます。                          

全国フェミニスト議員連盟
共同代表 会津 素子(千葉県成田市議会議員)/ 皆川りうこ(東京都国分寺市議会議員)
事務局 小磯妙子 (神奈川県茅ヶ崎市議会議員)  
神奈川県茅ヶ崎市鶴が台14-5-202


「身を切る改革」どころか「民意を切る改革」
小選挙区制は女性の声を捨て去る
 比例代表制は女性や弱者が当選しやすい 
女子差別撤廃委員会への政府回答のお粗末さ
by bekokuma321 | 2016-05-24 00:29 | その他