2015年 12月 21日
ファティマ・メルニーシー亡くなる
イスラム・フェミニズムの先駆者ファティマ・メルニーシーが、11月30日、モロッコの首都ラバトで亡くなった。75歳だった。『ヴェールよさらば』(心泉社。庄司由美、白崎順子、藤田万里子、山本章子訳、2003)を本棚の奥から手に取った。
この本の原著“Beyond the Veil: Male-Female Dynamics in Modern Muslim Society”を、ファティマ・メルニ―シ―が世に出したのは1975年だ。
彼女は、40年前に、イスラム世界の女性へのヴェールの強制は、単に女性への敵意だけではなく民主主義への敵意なのだ、と書いた。ヴェールは女性に、テロは主として男性に関わるが、どちらも自己表現の道を断たれているという共通点を持つ、とも。
おびただしい難民やテロリズムに直面する今こそ、次のような彼女の的を射た発言はもっと注目されるべきだ、と思う。
「潤沢なオイルダラーを手にしたイスラム教がめざしたのは、アラブ世界での民主化論を窒息死させることだった。産児制限の不徹底と、その結果引き起こされた失業、また若年層の人口流出といった問題は無視され、いま私たちが直面している状況に至っている。おびただしい数の若者が、耐えがたい独裁国家を離れ、時には過激派テロリズムに身を投じることもある。ヨーロッパの国々がハーレムの要塞のように境界線を引いたからといって、移民問題が解決するわけではない。」(同著「序論」より)
彼女が、アラブの政治家たちに向けて思いついたスローガンは、「あなたの脳にウーマンパワーを!」だった。
■Fatema Mernissi, a Founder of Islamic Feminism, Dies at 75

