2015年 08月 30日
安保法案に反対する
■内閣総理大臣 安倍晋三様 2015 年 6 月 28 日■
集団的自衛権を行使する「安全保障関連法案」の廃案を求める決議
2014年7月1日、安倍内閣は集団的自衛権の行使容認を閣議決定しました。現在、国会で集団的自衛権の行使要件を定めた、武力攻撃事態法改正案、日本のために活動する米軍や他国軍を地球規模で支援する周辺事態法改正案(重要影響事態法案)、PKO以外にも自衛隊による海外での復興支援活動を可能にするPKO法改正案など10本を束ねた法案と、いつでも自衛隊を紛争地に派遣し、他国軍の後方支援を可能にする恒久法、国際平和支援法案を審議しています。
政府は国会を大幅延長し、これらの「安全保障関連法案」を強引に可決させようとしています。私たちは、この法案成立により、日本を「世界で戦争ができる国」とすることは、到底認められません。
先の戦争は、アジア・太平洋地域の植民地化と侵略、強制連行・強制労働、「慰安婦」等性暴力、沖縄での地上戦、広島・長崎の原爆投下、全国各地での空襲など、国内外に多大な被害と苦しみ、悲しみを生みました。ここからの真摯な反省のもとに、私たちは憲法前文および第9条に恒久平和を規定し、不戦の誓いを世界に宣言しました。
紆余曲折ある中にも、戦後70年、戦争による被害者を出さずに今日まできたのは憲法の賜物であり誇るべきことです。戦争・紛争の絶えない国際社会において、武力によらない解決を提案することこそ平和憲法を持つ私たちの使命と自覚すべきです。
6月4日、衆議院憲法審査会で3名の憲法学者は「集団的自衛権の行使は違憲」と表明しました。そして憲法学者のほとんどが違憲としていることも無視してはなりません。
憲法尊重擁護義務を負うべき国務大臣、国会議員が違憲である法案を成立させれば、明らかに立憲主義に反します。
また政府は、自衛隊員へのリスク増加はもとより、国際的支援団体の活動をはじめとし、仕事などで海外に居住する日本国民へのリスク増加などを想定していません。国民への説明責任を果たさず、アメリカの議会で約束した「夏までの成立」に向けて強行する姿勢は許しがたいものです。
6月14日の安保法案反対集会では2万5千人、6月20日の「女の平和ヒューマンチェーン」では1万5千人、6月24日の集会では3万人が安保法案に反対して、国会を包囲しました。全国各地で世代を超えて「戦争法案、反対」の声が上がっています。世論調査では6割から8割が反対であり、安倍内閣の支持率は4割を切りました。
自治体議会のうち、181議会が「安全保障関連法案」に反対の意見書を可決させていると報じられています(6/20 NHKニュース)。政府は暴走をやめて、国民の声に耳を傾けるべきです。
戦争は、弱いものにより犠牲を強いるものです。武力で平和は生み出せません。私たち、議会に女性を送り出し、ひいては平等で多様な生き方が可能となる社会の構築を目指して集う超党派の自治体議会議員と市民は、「安全保障関連法案」の廃案と、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を保障する恒久平和主義を世界に広めることを強く求めて、ここに決議します。
全国フェミニスト議員連盟
代表 皆川りうこ(東京都国分寺市議会議員)/ 会津素子(千葉県成田市議会議員)
■全国フェミニスト議員連盟
■8.30国会10万人、全国100万人大行動
■吐き気をもよおす傲慢さはどこから来るか
■国連安保理決議2122号
■半世紀前の米大使館書簡