2015年 03月 15日
国連防災世界会議と女性
仙台で、第3回国連防災世界会議が開かれている。国連事務総長特別代表(防災担当) マルガレータ・ワルストロム(注)は、「世界の防災における女性の果たす役割の重要性」を、こう述べている。
「女性の実績と経験が全く有効に活用されていない実態があった」
「男性偏重ではなく男女バランスのとれた会議ブログラムにすべき」
「女性たちは組織の運営、地域貢献などに重要な役割を担っているが、しかし指導的役割についていない」
本当に同感だ。女性の意見がもっと原発政策に反映していたら、こうもやすやすと原発再稼働とはならなかっただろう。日本の防災政策ににジェンダーの視点を入れなくては持続可能な町づくりはできない。
では仙台の会議ではどうだったか。
その観点から、宮城県加美町の伊藤由子議員は、3月14日(土) 同会議で報告した。彼女は加美町議会たった1人の女性議員。(スピーチ草稿は左下Moreをクリック)
合併で誕生した加美町の議員は20人、全員男性でした。何とか女性を議会に送りたいと 2010年「女性を議会に送る会」を立ち上げました。
当時、合併特例債(合併のほうびとして国からの交付税は通常の約3倍)景気に沸いていましたが、町の財政は県内のワースト2、3番目でした。
そこで、「女性を議会に送る会」では、〝変わらなくっちゃ!私たちの暮らし方も町づくりも“を合言葉に運動を展開。公共事業の見直しと、財政の健全化を訴えました。私自身の目標は、住民参画と情報公開の実現でした。そして、たった1人の女性議員としてスタートを切りました。
その翌年、2011年3月11日 東日本大震災、原発事故が起きました。
〝子どもの被ばくを最小限にしたい“ という思いで、次のような行動を起こしました。
原発事故後、牛乳からセシウムが検出されて以来、牧草・稲わら対策が始まり、国は、食べ物の暫定基準値を発表しました。
私は、せめて<外部被曝はもちろんのこと>子どもの内部被曝を、なんとか最小限にしたいと考え、幼稚園・小中学校の給食の食材をチェックするシステムをつくるために行動を開始しました。
2012年早々、学校給食に食材を納入している農協を訪問、組合長・担当職員に、食材の放射能測定を依頼しましたが、測定器を購入したのは、ずっと後でした。
次に町の教育委員会に足を運び、食材の放射線量チェックをしてほしい旨、訴えました。町は5/10から食材の安全を確保するため、食材納入時の放射能測定を実施、測定値が公表されるようになりました。
議会でも発言を続けているうちに栄養士からは、「10㏃/㎏以下でも検出されたものは使わない方向」の発言が聞かれるようになりました。
自家消費の食料について、女性グループでは、放射線量の測定値を確かめて調理、放射線量を減らす知恵や情報(洗う・ゆでる・セシウムの移行係数)を伝え合う関係がつくられてきています。それだけにとどまらず、
ルギーを選択していくことが必要ではないかという声が高まり始めています。
宮城県を含む5県に求められている8000㏃以上の放射性廃棄物の最終処分場建設は、原発再稼働と切り離しては考えられません。
原発を稼働させることで、廃棄物は限りなく排出され続けます。次世代の子どもたちにとって、原発エネルギーを選択すべきかどうか、東日本大震災、原発事故を体験した東北の地からこそ問いかけていきたいと思います。
原発がある女川町で、住民対象のアンケートが行われました。
仮設住宅を含む2,440世帯が対象、675通の回答あり、原発再稼働に約6割近くが反対と答えています。
寄せられた意見の内、反対意見として「原発に依存するエネルギー政策の転換を」や、「原発に頼らずに十分に豊かな町をつくることができると思います」の意見もありました。
さらに「子どもたちの未来に私たちの手に負えない核廃棄物を残すことは許されません」
これこそが、東日本大震災・原発事故の体験から学ぶ教訓であり、この1点においては、世代も国籍も超えて手をつなぎあえるはずです。
持続可能なエネルギーを選択することを働きかけていきたいです。
宮城県加美町議員 伊藤由子
[注 マルガレータ・ワルストロムMargareta Wahlströmは1950年生まれ、ストックホルム大学卒。2008年から現職]
◆Margareta Wahlström ahead of the Third UN World Conference on Disaster Risk Reduction
◆男女共同参画と災害・復興ネットワーク
◆ノルウェー基金
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