2015年 03月 11日
録音テープは動かぬ証拠
マリ子さんが前回提出した準備書面をもとに話し合われるのでしょうが、その準備書面の内容は、まさに私が見聞きしたそのものでありました。
衆院選は2012年12月16日でした。その直後、疲れ果てたマリ子さんは、横手市はずれの借家にたった1人でいました。そこに松浦大悟参議院議員(当時)をはじめ5人の人間が突然やってきて、マリ子さんを囲み、吊るし上げを行ったのです。しめしあわせたように次々にマリ子さんの人格を否定し、借家は12月までだから12月中に借家から出ていくようにと言ったのです。
準備書面には、「5匹の狼に囲まれた羊のような状態だった。恐怖にとらわれ、血のひく思いでこの言葉の攻撃に耐えた」と書かれています。
さらにマリ子さんが秋田を去る日の2日前、12月27日に、松浦大悟事務所秘書たちが、再び突然やってきます。
「『あなたがいると票が減る、今後一切連絡はしてこないように。借家は12月までなのでそれまで出ていくように』と言われたので、29日に横手を出ます」などと書いた松浦さん宛のマリ子さんの手紙を、秘書らは持参したのです。そして秘書らは、マリ子さんの手紙の内容を認めたうえで、さらに嘘をかさねたのです。
その数々の嘘は、マリ子さんが秘書らに断って録音をとったので、動かぬ証拠として残っています。
「あなたが落選したらその時点で総支部はなくなる」「総支部長(三井さん)は解任です」と秘書らは何回か三井さんに告げています。
ところが、民主党の特例措置で、総支部は継続することになっていたのです。2012年の衆院選で民主党は惨敗し、落選者が余りに多かったため、特例を設けて参院選まで月50万円の総支部活動費を出すことに決まっていたというのです。
松浦大悟氏の秘書は、マリ子さんがその部屋からちょっと出た時、そばにいた仲間うちに向かってこうひそひそ声で伝えています。小さな声ですが、録音テープには残っていました。
「昨日の夜、当落を別に、資金を提供するっていうことを、ほそのごうしさんが発表したんですよ」
秘書らは、12月26日に総支部解散・総支部長解任ではないことを知っていたのです。それにも関わらず、翌27日には、そのことを総支部長であるマリ子さんには隠して、つまり民主党の決定にそむいてまで追い出しにかかったのは明らかでした。
民主党がこの特例措置を内定したのは12月22日でした。翌年の2月になって東京の民主党本部に行き、本部からそれを知らされるまで、マリ子さんは知りませんでした。
私は、横手で起きたことはうすうす知っていました。やる気のない選対にどれだけ苦労したかも察することができました。
でも、マリ子さんが横手を出てから、たった1人で証拠を求めて、調査活動をしていたことを知ったのは初めてです。準備書面を読みながら、遠い長野から秋田へ何度も通ってこつこつ頑張ってきたのだなあ、と驚きました。
この裁判を通して私は、何事も証拠がものをいう、証拠が最も大事なのだと勉強しました。
皆さん、これからも三井マリ子さんを見守ってくださいね。頑張りましょう。
大倉 由紀子(さみどりの会*)
(*)2012年の衆院選で落選した三井候補は、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴した。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。「産むならば 世界を産めよ ものの芽の 燃え立つ森の さみどりのなか」という阿木津英の歌がある。女性は子どもだけでなく、世界を産み出すのだという意味だ。三井さんは、選挙演説に引用しては「私は新しい秋田を産み出したいのです」と結んでいた。「さみどりの会」の由来だ。過去の報道・報告は、左下Moreをクリックしてどうぞ。
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