2015年 02月 12日
国連高官を「売女」と呼ぶ僧侶
先月、イ・ヤンヒ(Yanghee Lee 李亮喜)は、ビルマ(ミャンマー)の人権状況に関する国連特別報告者としてビルマ訪問した。彼女は、公式訪問中、ビルマの僧侶から、「売女(ばいた)」と呼ばれたという。
報道によれば、仏教の僧侶の名はアシン・ウィラスAshin Wirathu。2013年7月、「タイム」誌が表紙に飾った男性だ(写真)。
極右の僧侶で、ビルマは仏教徒の国であるとし、イスラム教徒排斥と迫害の急先鋒に立つ。2003年、イスラム教徒への暴力を扇動した罪で収監されたが、現在、放免となっている。
アシン・ウィラスは、イ・ヤンヒについて、公の場のスピーチで、「その肩書で、尊敬されるなどと思うな。お前は、我々にとっては単なる”売女”だ」と言ったという。この言葉は、ネットで瞬く間に広まった。
イ・ヤンヒは、10日間の調査を終えてビルマを去る際、あちこちで彼女を敵視するような待遇を受けたと、次のように表明した。
「このたび私は、議論の分かれる難題にとりくむときに女性の人権の擁護者が経験する性差別に満ちた脅しにあいました」
イ・ヤンヒは、韓国の子ども心理学者で、国連子どもの権利委員会委員長でもある。
国連人権高等弁務官のゼイド・ラアド・ゼイド・アル・フセイン(ヨルダン国連代表)は、イ・ヤンヒの指摘を受けて、ただちに強い抗議の声明を送った。
「社会的影響力を有する僧侶が、公式訪問をしたイ・ヤンヒ国連人権専門官に対して性差別と侮辱に満ちた表現を使ったことは、絶対に受け入れられない」
こういう事件がアジアの国であったなどと、私は知らなかった。さきほど、BBCニュースで、ヘレン・クラーク国連開発計画(UNDP)総裁が、この性差別について、「とんでもない、恥ずべきことだ」と怒っているDVDを見て、初めて知った。ヘレン・クラークはニュージーランドの元首相。国連初の女性の事務総長か、と目されている人物だ。
国連高官でも女性なら、「売女」という侮蔑語を投げつけられる、この恐るべき現実。
できることなら、このような下劣な差別発言を知らずに済ませたかった。しかし、この現実から逃れては男女平等は前に進めない。イ・ヤンヒ(Yanghee Lee)の告発に感謝する。
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