2015年 01月 17日
三井マリ子VS松浦大悟裁判 傍聴記
雪の心配なかったことはラッキーでした。珍しく、キャド(街道)が乾いていました。秋田弁で「キャド、ポンポンじい」と言います。
女性議員の少ない秋田で女性議員増をと
法廷では、近江直人弁護士の簡単な説明と、三井さんの意見陳述がありました。
「民主党の女性支援金を含む後援会の資金を土台に、女性議員の極端に少ない秋田で、女性候補者増につながる活動を続けようーーー私はそんな青写真を描いていました」と三井さんは述べました。
「たった1度の落選で秋田を去るくらいなら、わざわざ自らに民主党員というレッテルを貼って、秋田に引っ越してまで、政治活動をしようと決意したでしょうか」とも言いました。
意見陳述を聞きながら、2012年の冬の選挙を思い出しました。選挙のため、三井さんが横手に入ったとき、かつて同級生だった友人がこう言いました。「今、この時期に(民主党が史上最低の落ち目の時)、立たなくても良いのでは。ほかの候補は、何年も運動しているのに、故郷を離れて何十年もたっていて、あまりに無謀だ」
それに応えて三井さんは「無謀だということも、落選もわかっている。でも、女性議員の極端に少ない秋田で、女性議員増をめざして活動していくつもり、女性問題を解決するにはそれが大事だから」と希望に燃えて話していました。
突然、5人で家に上がりこんできた
ところが、落選後まもなく、三井さんを繰り返し勧誘した松浦大悟議員(当時)とその部下たちが、暗くなった頃、突然やってきて、あがりこんできたそうです。三井さんはたった1人でした。甘い言葉で懇願したときとは違って、松浦議員は三井さんの人格を否定し、他の人たちも同じように三井さんをつるしあげたそうです。三井さんの「秋田で頑張ろう」と思っていた心を、松浦議員らはみごとに奪い取ってしまったのです。
秋田を追い出された三井さんは、何度も松浦議員に、会議を開いてほしい、選挙の収支を教えてほしいと手紙を書きました。民主党支部長としての責任は、三井さんにあるのですから当然です。返事がないので、三井さんは、秋田まで通って、選挙資金の収支報告を調べていきます。すると、隠されていた口座など不審なことが見つかったのです。
政党交付金を貯め込もうと
裁判を起こしたことで、さらに、彼らの政党交付金のおかしな使われ方や政党交付金を利用して資金を貯め込もうとした意図が明らかになってきました。
裁判の後の記者会見・説明会(上)で、近江弁護士より解説していただきました。今回、裁判長に三井さん側が出した準備書面は3点でした。
1「現金がどう動いたか管理の実態を明らかにし、被告らの貯め込みを証明するもの」
2「被告らの不法行為について、被告が反論してきたことに、テープ録音・反訳と新たな証拠で明らかにした再反論」
3「被告松浦が、勧誘した当初から、第3総支部に残っていた金は、自ら掌握し、次期選挙の為に確保しようとしたことを明らかにしたもの」
松浦大悟代表の組織に2億4千万円
松浦さんが代表として把握していたお金の巨額さに驚きました。彼が代表についた平成20年から25年までの間、民主党秋田県連(代表松浦)には1億4500万円、参議院第1総支部(代表松浦)に9千640万円が、民主党本部より交付されています。合計2億4千万円です。これらは政党交付金です。
法廷で三井さんは、「政党交付金は、国民全員が1人250円出した血税です。政党の健全な活動のためにつくられました。私に対する背信行為は、国民に対する背信行為なのです」と陳述していました。この三井さんのことばを裏付けるものでした。
政党交付金は、国民のお金であり、それがいかに大金かがよくわかりました。松浦大悟さんの周りで、億のお金が動いていたなんて、毎日のガス代・水道代・おかず1品等に汲々としている私にとって大変な驚きでした。同席していた参加者からもウワーっと驚きの声が上がりました。
心神耗弱状態を乗り越えて
また、三井さんのお連れ合いが参加していて、松浦大悟議員が、長野宅に懇願に来た8月末の話や、選挙中に秋田を訪れた時の話、三井さんが秋田から長野に帰った時の様子を話してくれました。秋田を追い出されて長野に戻ったときは、心神耗弱状態で、病人のようだったそうです。でも、お正月があけてしばらくして、よれよれになっていた三井さんは、フラフラと起き上がって、松浦議員あてに手紙を書き始めたのだそうです。
三井さんの裁判では、本当に訓えられることがたくさんあります。16日も、遠い名古屋から2人、さらに富山からは9時間もかけて、秋田まで支援の方が駆けつけてくれました。本当に頭が下がります。
次回裁判は、また、非公開で行われることになりました。
大倉 由紀子 さみどりの会(*)
(*)2012年の衆院選で落選した三井候補は、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴した。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。「産むならば 世界を産めよ ものの芽の 燃え立つ森の さみどりのなか」という阿木津英の歌がある。女性は子どもだけでなく、世界を産み出すのだという意味だ。三井さんは、選挙演説に引用しては「私は新しい秋田を産み出したいのです」と結んでいた。「さみどりの会」の由来だ。裁判報道は左下のMoreをクリック。
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