2015年 01月 13日
どこまで女を食い物にするのか
2012年、秋田では三井マリ子さん、東京都板橋区では太田順子さん(右)が民主党公認で衆院選に立候補しました。
この2人の女性候補が、同じような被害にあったことを知りました。2人とも“選挙の指南役”とおぼしき民主党の現職議員らから、政治資金を不適正に使われ、選挙が終わったら次はないと排除されたというのです。
政党は、どこまで女を食い物にするのかと、唖然としてしまいました。
党公認の衆院候補になると、衆議院の選挙区にひとつずつある党の総支部の代表となるのだそうです。総支部というのは、政治活動をする母体で、そこに政党交付金が入金されます。
2人は、総支部の代表となったのです。そして党の指示で、政党交付金などの選挙資金が振り込まれる通帳をつくらせられました。
そして、2人は、通帳も印鑑も“選挙の指南役”に預けました。候補者は、日々、朝から晩まで外で遊説ですから、お金のことは任せざるをえないのはあたりまえです。
そこで、太田さんの場合は、政党交付金の一部が、選挙活動資金に回り、それが選挙中、不正に使われました。三井さんの場合は、本来の政党交付金はできるだけ使わないように蓄財されて、三井さんの個人資産や三井さんの後援会のお金が優先的に使われました。
太田さんは、太田順子HPで、その不正を書き、その不正をただすこができなかったと謝罪を載せています。太田さんの“選挙の指南役”である現職議員たちが使ったキャバクラと言われる所への遊興費や、一般感覚ではありえない不適切なものに使った領収書が多々出てきたそうです。太田さんは、選挙後、民主党本部にその是正をお願いしたが、かなわず、「民主党内にある腐った体制を改革できなかった」と書いています。
三井さんは、選挙収支を選対に何度尋ねても知らされず、選管まで出向いて自分で調べざるをえませんでした。選管で三井さんは、変な使われ方をしていることを次々に発見し、「選挙収支を代表の私に見せなかった理由がわかった」そうです。三井さんは、選対のトップだった参議院議員(当時)に疑問の手紙を出しましたが、なしのつぶてした。結局、公の判断を仰ぐため提訴しました。
三井さんも、「だまされた私にも責任の一端があります」と新聞に意見を寄せていました。でも、だました方が、何倍も悪いに決まっています。
言葉巧みに、選挙資金が無くとも、政党交付金ですべて面倒を見ますよと立候補を勧め、首尾よく政党交付金の受け皿をつくって、資金を振り込ませ、実は自分たちが勝手に管理して、選挙が終わると残りの資金は国庫に返納せず党へ寄付しろと強要する、こんな暴挙が許されるわけはありません。
当選すれば党の力と自画自賛したのでしょうが、2012年当時は、大逆風だった民主党の新人女性候補の当選は120%ありえないことでした。三井さんも太田さんも健闘むなしく落選でした。
つまり、新人女性を立候補させた側の目的は、自分たちが勝手に使える、または蓄財するための、政党交付金の受け皿をつくりたかったから、にほかなりません。
日本の選挙にはカネがかかるというのは周知の事実。そのために政党交付金という道が開かれたと言われていますが、私たち国民の税金である政党交付金が、こういう汚い使われかたをしているとは、知りませんでした。
HPで真実を明らかにした太田さんの勇気を尊敬します。そして、秋田で裁判を闘う三井マリ子さんには、政党交付金が不適正に使われた経緯を明らかにして、そのやり口をあぶり出し、勝訴を手にしてほしい、と私は心から応援しています。
次回の裁判は、1月16日(金)。秋田地裁で10時から開かれます。
村松 てる子 さみどりの会(*)
(*)2012年の衆院選で落選した三井候補は、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴した。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。「産むならば 世界を産めよ ものの芽の 燃え立つ森の さみどりのなか」という阿木津英の歌がある。女性は子どもだけでなく、世界を産み出すのだという意味だ。三井さんは、選挙演説に引用しては「私は新しい秋田を産み出したいのです」と結んでいた。「さみどりの会」の由来だ。裁判報道は左下のMoreをクリック。
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【写真上:太田順子HPより、歯科医の太田さん。下:秋田地裁前の三井さん】