2014年 12月 06日
澤藤弁護士ブログから政党交付金の国庫返納を考える
澤藤弁護士がほめていたのは、2014年2月4日の赤旗に載った小さな記事だ。
事件の中身はこうだ。私が立候補した2012年衆院選と、半年後の松浦大悟氏参院選で、選挙ポスター貼り要員を手筈した人が、実際はポスター貼りをしていない人をしたことにでっちあげて、ポスター貼り代を支払ったという領収書を作成していたーーざっと、このような容疑で、民主党秋田県連(代表松浦大悟)の幹部らが検察庁に書類送検された。
10カ月も前の赤旗の記事が手に入った。
要するに、民主党秋田県連幹部らは、Aさんにポスター貼り代1万円支払ったことにして、Aさんが1万円を受け取ったという領収書を偽造した。本当は、Aさんは、ポスター貼りを頼まれてもいないし、貼ってもいなかったし、1万円を受け取ってもいなかった。そうやって彼らは1万円を懐に入れた。このポスター貼り代、もとは政党交付金だ。政党交付金の一部を横領・着服したことになる。
民主党秋田県連幹部らが、書類送検されて、すでに10カ月たった。なのに、3人は起訴か不起訴かまだ決まっていない。
さて、この新聞ではわからないが、書類送検されたのは3人ではなく4人だった。1人は、ポスター貼りによる横領容疑ではない。有印私文書偽造・同行使罪の疑いで書類送検された松浦大悟氏秘書だ。その秘書は、先ごろ不起訴となった。証拠不十分だからという理由だった。
有印私文書とは、この場合、銀行口座を開くときの書類だ。その口座は、政党交付金を受け取るためにつくられた。、民主党本部から民主党秋田県第3総支部(三井マリ子代表)に送金されることになっていて、私の選挙会計を仕切った松浦大悟事務所が、私に知らせずにその口座を開いた。
そう、もろもろの事件の最大の責任者は、書面上、私ということになる。知らなかったとはいえ私にも責任の一端はある。だから独自調査で事実を発見した私は、「肉を切らせて骨を断つ」思いで、この秘書を告発した。
不起訴と決まった有印私文書偽造・同行使事件、そして、まだ決まっていないポスター貼り代横領事件、どちらも政党交付金にからむ。
最近、勉強してわかったことだが、政党のまっとうな活動に制約をつけてはならないからと、政党交付金の法律「政党助成法」は、政党交付金の使途にとても甘い。安倍首相など多数の国会議員は、自分が代表の政党支部から自分に寄付をしていた。そのほかキャバクラ、SMバー、国会議員の名入りワイン、うちわに化けたりもしている。その年に使い切りが原則なのに、できるだけ使わないで次の選挙のために貯めておくこともできる。
私の選挙を仕切った人たちは、1300万円の政党交付金のうち約440万円を貯め込んでいた。
1円でも安い物をとスーパー閉店まぎわにかけこむのが普通の市民だ。その市民から1人250円の税金を集めて、320億円。それが世界最高額といわれる、日本の政党交付金だ。
この事件は、私への背任行為だけでなく、国民に対する裏切りだと思う。
12月1日、私は、私の名で受け取った政党交付金の残金を、国庫返還する事務を終えてホッとしている。しかし、裁判はこれからも続く。
■澤藤統一郎の憲法日記「選挙運動費用収支報告書虚偽記載の摘発実例」
三 井 マ リ 子
「三井候補秋田追放事件を究明する裁判」原告(注)
(注)2012年の衆院選で落選した三井候補は、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴した。三井さんは、女性議員を増やして男女平等社会をつくろうとする運動の一環で秋田から立候補した。三井裁判を支える「さみどりの会」は、三井候補の秋田追放事件をきっかけとして作られた。その中で、「政治とカネ」を考えてきた。「産むならば 世界を産めよ ものの芽の 燃え立つ森の さみどりのなか」という阿木津英の歌がある。女性は子どもだけでなく、世界を産み出すのだという意味だ。三井候補は、選挙演説に引用しては「私は新しい秋田を産み出したいのです」と結んでいた。「さみどりの会」の由来だ。
■悪しき慣習に一石を投じた
■政党交付金440万余円、国庫返還へ
■今日の読売に政党交付金の国庫返納記事
■黒人射殺事件不起訴から秋田の事件を考える
■「秋田のため、女性のため」と
■真実は外面だけではわからない
■委任状
■普通のおばちゃんが考える「政治とカネ」
■「政治とカネ」、秋田衆院選から考える
■小渕優子事件と三井マリ子事件の類似点
■きわめて日本的
■私は納得いきません
■許せない!幕引き図った検察
■裁判と人格攻撃
■私も悔しい
■改ざんしたかのように言ってきた
■青天の霹靂
■「政治とカネ」にメスを入れる三井裁判
■政党交付金の残金を国庫に返還
■今朝の読売を読んで 「解散・返還は当たり前」
■澤藤弁護士ブログを読んで
■決定的証拠が裁判長に提出された
■供託金は秋田おばこのデモクラシーに
■秋田おばこのデモクラシーに大賛成
■マラッカ海峡より
■裁判をしなかったら供託金はどこに?
■「供託金もどって一安心」_5.21読売新聞
■女は使い捨ての駒か
■5月10日のNHK、11日の朝日、読売、魁
■供託金、もどった
■秋田おばこのデモクラシー
■4月15日の毎日新聞
■裁判長提案「供託金戻したら」は当然
■お金の流れがよくわかった
■NHK 「選挙資金裁判 争点絞られる」
■供託金は戻したらどうか、と裁判長提言
■ワーキング・ウーマン、三井裁判を女性の視点で見る
■今朝の毎日新聞
■女性記者の目
■秋田衆参両選挙で4人書類送検
■秋田衆参両選挙で関係者送検
■三井候補秋田追放事件を究明する裁判 3
■三井候補秋田追放事件を究明する裁判 2
■三井候補秋田追放事件を究明する裁判