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黒人射殺事件不起訴から秋田の事件を考える

先日、米ミズーリ州で、黒人を射殺した白人警察官が不起訴と決まりました。不起訴に怒った市民たちの抗議運動が全米で起きていますね。

殺されたのは、マイケル・ブラウンさん。18歳。今年8月、ミズーリ州セントルイス郊外のコンビニから自宅に帰る途中に警官から発砲されて、その場で死亡したそうです。若者から未来を奪った警察官が不起訴とは。あきれてものが言えません。

思い出すのは、20年以上前、1992年の日本人留学生殺害事件です。ルイジアナ州に留学していた服部剛丈君がハロウインパーティで、間違って訪れた家の前で射殺されたのです。射殺した家人は起訴されましたが、正当防衛を主張して無罪でした。しかしながら、その後の民事裁判では、刑事とは正反対の結果となり、相手は敗訴しました。

どちらの事件も、加害者は白人、被害者は有色人種です。加害者は、ミズーリ州事件では「不起訴」、20年前の事件では起訴後「無罪」となりました。この不当な結果に、有色人種を白人の下に見る差別意識がアメリカ社会にいまだ存在していて、だから白人の罪に甘いのだ、と思わない人はいないはずです。

さて、三井マリ子さんが告発した松浦大悟氏秘書らの「有印私文書偽造・同行使・詐欺事件」も不起訴とされてしまいました。不起訴と聞いて、私は、怒りでふるえました(注1)。

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松浦氏は当時参議院議員で、昨年落選した今も、なぜか民主党秋田県の代表という地位についています。証拠不十分だから不起訴だそうですが、警察や検察が松浦氏側に甘い結果を下したのは、松浦氏側を上に、マリ子さん側を下に見る意識があったからではないか、と思ってしまいます。

松浦氏はさっそくネットで「三井氏には正しい対応をしてまいりましたので、不起訴になったことは大変喜ばしいと思っております。これからも誠実に対応してまいります。」と書いていました。マリ子さんを「全身全霊で支える」と懇願して秋田に移住させて、落選後ただちに秋田から追放した上、選挙収支を見せてほしいというマリ子さんの依頼を無視してきたことが、「正しい対応」だったというのでしょうか。

松浦氏の秘書が、「三井さんの委任状を持って口座を開設した」と警察官に言ったそうですが、その委任状はなかったことが、先月の民事の裁判で判明しています。松浦氏秘書は警察官に偽証したわけですね。

さらに先月の民事裁判で、今まで「三井さんが言う“隠し口座”などない。三井さんには書面を見せながらその口座について説明して了承を得てから開設した」と言い張っていたのですが、それが嘘だった、と松浦側は認めました。

ちゃんと起訴をして、法廷で審判を下すべき刑事事件であるとつくづく思います。刑事でいったん不起訴や、無罪とされた事件を覆すのは困難をきわめます。民事で攻めていくしかなく、家族・周囲の人たちの並々ならぬ努力が必要で、あきらめてしまいそうになります。

20年前の服部君事件では、両親や友人たちは刑事で負けてもめげなかったのです。長い間の努力によって、民事のほうで、あらたな証拠が次々に見つかり、ついに相手を敗訴に追い詰めたのです。頭が下がります。

黒人射殺事件不起訴から秋田の事件を考える_c0166264_20332396.jpg大倉 由紀子 さみどりの会(注2)

【写真上:2012.11 三井候補と松浦大悟氏の“事前ポスター”。三井候補の”事前ポスター”はわずか300枚しかなかった。写真右:2014.11 秋田市内で】

(注1)三井さんの告発を機に発覚した別の事件は、起訴・不起訴が決まっていない。こちらは、三井候補のポスター貼りを請け負った民主党秋田県連(代表松浦大悟)の幹部が、ポスター貼りをしてない架空の人たちを貼ったことにでっちあげて1人1万円を自分の懐に入れた横領事件

(注2)2012年の衆院選で落選した三井候補は、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴した。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。「産むならば 世界を産めよ ものの芽の 燃え立つ森の さみどりのなか」という阿木津英の歌がある。女性は子どもだけでなく、世界を産み出すのだという意味だ。三井さんは、選挙演説に引用しては「私は新しい秋田を産み出したいのです」と結んでいた。「さみどりの会」の由来だ。裁判報道は左下のMoreをクリック。
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by bekokuma321 | 2014-11-28 17:13 | 秋田