2014年 11月 19日
「秋田のため、女性のため」と
秋田1区は民主党前衆議院議員で離党していた男性が民主党から出馬するようです。2区、3区は未定です。
2012年の、あの衆院選挙のことがいろいろ思い出されます。
マリ子さんは、秋田に引っ越してすぐ解散総選挙となり、ろくに準備もできないまま、選挙に入ってしまいました。あの頃の民主党は前代未聞の逆風でした。なぜこんな時に立候補をと思った人が多かったのは事実です。
しかしマリ子さんが、「秋田のため、女性のためになるならば」との強い決意のもと戦ったからでしょう。落選はしたものの、直前まで現職の衆議院議員だった人の票と同じくらいの票を取ることが出来たのです。
「選挙後も秋田に残り、秋田のため、女性のために活動したい」と、マリ子さんが希望をもって話していたのを私は知っています。
ところが、選挙が終わって間もない、2012年12月29日の朝、雪の横手からマリ子さんは出て行ってしまいました。自らの意志で去ったのではありませんでした。追い出されたのです。なんとむごいことか。
秋田3区の民主党総支部長として選挙を闘ったマリ子さんが、その選挙の会計のことも知らされないまま、秋田を後にしなければならなかったのです。心身ともに凍りついたことでしょう。
その後、マリ子さんは、選挙の後始末が心配になって、選挙を仕切った幹部――マリ子さんを勧誘し秋田に連れてきた松浦議員ら――に問合せしました。でも、いくら手紙やメールを出しても返事はなかったため、不審が募っていきました。当然です。
そして、とうとう2013年11月11日、裁判所に提訴しました。お金の不明瞭な使い方や、勝手に作られた通帳などについて、明らかにしてもらうにはそれしかなかったのです。
さて、マリ子さんに出て行けと言った後、2012年12月27日、松浦事務所秘書たちは、突然マリ子さんの所にやってきました。政党交付金を余り使わずに貯め込んでいた彼女らは、その残金を入れる口座をマリ子さんにつくらせるために来たのでした。その時、マリ子さんは、承諾を得た上で会話を録音しました。
その録音テープを起こして、裁判所に提出しました。そのテープは、松浦事務所側の嘘やめちゃめちゃなことが、はっきりと証明される証拠でした。ところが、松浦側は、あろうことか、その録音テープやテープ起こし原稿を改ざんしたかのごとく前回の裁判で言ってきました。自分が裁判で負けないようにするため、嘘をついてまで人の人格を貶めようとするのは、許されません。
そして、先日、11月12日、第6回裁判が秋田地裁で開かれました。
第6回裁判では、これまで松浦側が「隠し口座などない、すべて三井さんに書面を見せて承諾を得て通帳を作った」と言いはっていたことは、嘘だったと、認めたようです。
テープを改ざんしたと松浦側が疑ったことに対しては、マリ子さんが、改ざんしていないことを証明しなくてはなりませんでした。マリ子さんはテープを聞き直して複数の人の会話がダブってはいっている部分を一字一句テープ起こしして、裁判所に提出しました。それは、改ざんなどありえないことが明らかにされるものでした。
松浦側は、三井選挙にお金を使わず多額の政党交付金を貯めこんだ件について、3人の落選した候補者の実名を挙げて、正当性を図ろうとしていました。しかし、3人とは、民主党国会議員秘書2人と、公職選挙法違反で立候補できなかった期間が過ぎて初めて立候補した民主党元衆議院議員でした。
このように民主党と濃い関係のある人と、突然立候補して民主党員になったばかりのマリ子さんを、単純に比較するのはナンセンスです。
秋田3区は人口は少ないけれども、面積は東京都の2倍はあるところです。人も雇わず、ポスター貼りの人も全く不十分だった状況を作ったのは、最初から負けるものには金を使わない方針だったのではないでしょうか。
次回裁判、2015年1月16日は公開だそうです。
雪で交通が乱れないことを祈り、秋田市に駆けつけこの目で確認したいと思っています。
大倉 由紀子 さみどりの会(*)
【写真上:2014.11.12 秋田地裁前にて三井マリ子原告。岡田ふさこ撮影。下:「あきたびじん」と読めるロゴを掲げる秋田県庁。「あきたびじょん」の「よ」が見えないようにわざと極小文字を使用】
(注)衆院選で落選した三井候補は、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴した。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。「産むならば 世界を産めよ ものの芽の 燃え立つ森の さみどりのなか」という阿木津英の歌がある。女性は子どもだけでなく、世界を産み出すのだという意味だ。三井さんは、選挙演説に引用しては「私は新しい秋田を産み出したいのです」と結んでいた。「さみどりの会」の由来だ。裁判報道は下のMoreをクリック。
■真実は外面だけではわからない
■委任状
■普通のおばちゃんが考える「政治とカネ」
■「政治とカネ」、秋田衆院選から考える
■小渕優子事件と三井マリ子事件の類似点
■きわめて日本的
■私は納得いきません
■許せない!幕引き図った検察
■裁判と人格攻撃
■私も悔しい
■改ざんしたかのように言ってきた
■青天の霹靂
■「政治とカネ」にメスを入れる三井裁判
■政党交付金の残金を国庫に返還
■今朝の読売を読んで 「解散・返還は当たり前」
■澤藤弁護士ブログを読んで
■決定的証拠が裁判長に提出された
■供託金は秋田おばこのデモクラシーに
■秋田おばこのデモクラシーに大賛成
■マラッカ海峡より
■裁判をしなかったら供託金はどこに?
■「供託金もどって一安心」_5.21読売新聞
■女は使い捨ての駒か
■5月10日のNHK、11日の朝日、読売、魁
■供託金、もどった
■秋田おばこのデモクラシー
■4月15日の毎日新聞
■裁判長提案「供託金戻したら」は当然
■お金の流れがよくわかった
■NHK 「選挙資金裁判 争点絞られる」
■供託金は戻したらどうか、と裁判長提言
■ワーキング・ウーマン、三井裁判を女性の視点で見る
■今朝の毎日新聞
■女性記者の目
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