2014年 11月 17日
委任状
今回もそうですが、非公開の裁判がずっと続いていました。私も気にかかってはいましたが、秋田に行くことがなくなっていました。そこで今回は、秋田の皆さんに、「三井候補秋田追放事件を究明する裁判」のチラシをまくため、意を決して名古屋から秋田まで参りました。
12日の裁判後の記者会見では、県庁記者会見室のすみっこに座って、「三井マリ子候補秋田追放事件を究明する裁判」の現況を聞くことができました。以下、報告します。
原告三井さんがなぜ提訴したかは、三井さんと代理人の近江直人弁護士の説明とメモによると、こうなります。
松浦大悟氏らは、衆院選で三井さんの名を使って政党交付金を民主党本部から秋田第3総支部に入金させ、カネの管理を松浦大悟秘書A、同Bが行い、三井さんの選挙・政治活動には極力あてずに「繰り越し」をしました。
その「繰り越し」は、三井さんの次の選挙のためではなく、松浦氏側の資金にするためでした。その意図を隠すため、三井さんに対して「事務所兼自宅の賃貸は2012年12月末まで」と、ウソを告げて、三井さんを秋田から追い出しました。しかも「今後いっさい連絡はしてこないように」と告げました。こうした松浦氏らの一連の行為によって、三井さんは物心両面にわたって著しい損害をこうむりました。
2年前、松浦氏の度重なる勧誘によって、三井さんは秋田に引っ越しを決意。秋田に男女平等を根付かせたいと、落選を覚悟しつつも必死で選挙に臨みました。それが、落選したら「出て行け」と言われたのです。
さて、今回のハイライトは、「隠し口座」と三井さん側が呼んでいる政党交付金の送金先「民主党秋田県第3総支部受け入れ口口座」についてです。
銀行で新しく口座を開くときは、本人でないと開けないのが常です。しかも、民主党秋田県第3総支部という、団体の口座ですから、団体の代表の委任状が必要です。
つまり、銀行の窓口で口座を開いた秘書Aは、三井さんの委任状を持参したかどうか、です。
これに関して、刑事事件の取り調べでわかった驚くべき情報が記者に開示されました。
それと、松浦側は「『隠し口座』ではない。三井さんの承諾を受けてから銀行を開設した」などとして、「三井さんが証拠改ざんしたのでは」と、三井さんに非をなすりつけてきたのですが、それも荒唐無稽のでたらめだとわかりました。
いま世間をにぎわせている政党交付金問題と本訴訟の意義について、三井さんはこう述べました。
政党交付金は、選挙運動を主に広く政治活動に使うために設けられていて、政治活動の自由の尊重という趣旨から法的にも使途に何らしばりがついていません。ところが、政党交付金についてまったく知識のなかった三井さんに対して、松浦氏の秘書A、Bらは、「政党交付金は選挙には使えない」と繰り返したというのです。これは真っ赤な嘘であることは、いまなら私でもわかりますが、当時の三井さんにはわからなかった。松浦事務所は、三井さん個人口座のおカネと、後援会のおカネをまず使って、政党交付金を残そうとしたのです。
マスコミで注目されているのは、政党交付金を野放図に使いまくったという事ですが、「陣営内の人物がこれほどまでに野放図に使用できることは、裏を返せば、陣営内の人物があえて政党交付金を使わないという選択も可能であることを示すものだ」というのです。なるほど、と思いました。
最後に大事なお知らせです。次回第7回は公開です。どうぞ皆様、裁判傍聴に足をお運びいただきますよう、お願いいたします。
2015年1月16日(金)午前10時 秋田地裁
岡田 ふさこ(さみどりの会事務局)
【写真上:2014年11月11日、秋田市内。亀田順子提供、下:11月12日裁判後の記者会見。岡田ふさこ撮影】
(注)衆院選で落選した三井候補は、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴した。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。「産むならば 世界を産めよ ものの芽の 燃え立つ森の さみどりのなか」という阿木津英の歌がある。女性は子どもだけでなく、世界を産み出すのだという意味だ。三井さんは、選挙演説に引用しては「私は新しい秋田を産み出したいのです」と結んでいた。「さみどりの会」の由来だ。裁判報道は下を。
■普通のおばちゃんが考える「政治とカネ」
■「政治とカネ」、秋田衆院選から考える
■小渕優子事件と三井マリ子事件の類似点
■きわめて日本的
■私は納得いきません
■許せない!幕引き図った検察
■裁判と人格攻撃
■私も悔しい
■改ざんしたかのように言ってきた
■青天の霹靂
■「政治とカネ」にメスを入れる三井裁判
■政党交付金の残金を国庫に返還
■今朝の読売を読んで 「解散・返還は当たり前」
■澤藤弁護士ブログを読んで
■決定的証拠が裁判長に提出された
■供託金は秋田おばこのデモクラシーに
■秋田おばこのデモクラシーに大賛成
■マラッカ海峡より
■裁判をしなかったら供託金はどこに?
■「供託金もどって一安心」_5.21読売新聞
■女は使い捨ての駒か
■5月10日のNHK、11日の朝日、読売、魁
■供託金、もどった
■秋田おばこのデモクラシー
■4月15日の毎日新聞
■裁判長提案「供託金戻したら」は当然
■お金の流れがよくわかった
■NHK 「選挙資金裁判 争点絞られる」
■供託金は戻したらどうか、と裁判長提言
■ワーキング・ウーマン、三井裁判を女性の視点で見る
■今朝の毎日新聞
■女性記者の目
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