2014年 10月 06日
裁判と人格攻撃
避難生活を強いられた渡辺はま子さんの自殺の原因が、福島原発事故にある、と東電を訴えた裁判についての記事です。やむにやまれず提訴した遺族は、「カネ目当てか」と言われたり、被告の東電から「個体側の脆弱性」ということばで、あたかも自死に至ったはま子さん自身に問題があったかのように反論されました。「この言葉に遺族の心は凍った」、と記者は書いています。
今、私が支援している三井マリ子さんの裁判でも同じようなことが起きています。
最初から、相手側は、提訴した三井さんへの人格攻撃を中心にすえてきました。そこで三井さんは、2012年12月27日にとった録音テープを全部おこして、その原稿を裁判所に提出しました。すると今度は、三井さんが、録音テープとテープ起こし原稿の最初の部分を削除したうえで提出したかのように言ってきたのです。
三井マリ子さんはあたかも録音テープを改ざんするような人間である、といわんばかりの物言いに、私は驚き、呆れています。そこで、4月の裁判に出された、テープ起こし原稿を読んでみました。
まず、問題となっている点をまとめます。
三井さんの主張はこうです。
「『個人』、『後援会』、『第3総支部』の3冊の口座については聞かされていた。しかし政党交付金が振り込まれた『交付金受入口』の口座は、三井には隠されていた」
松浦大悟さんの主張はこうです。
「『交付金受入口』口座について、当初から三井に説明して了承を得てから銀行口座を開設した。その後も、『交付金受入口』口座について三井に説明し、通帳も見せた」
録音テープの改ざんなど絶対にありえないことです。でも、もし仮に松浦さんが言うように「削除した」としても、録音テープは、「2012年12月27日の時点で、通帳は3冊しかなかった。つまり、交付金受入口の通帳はなかった」、「その日、4冊目の新しい口座――基金口座――を開設した」ことをはっきりと証明しています。
以下その会話です。(Moreをクリック)
「三井: 新しくつくったのが,三井個人口座ですね。
T: 個人口座,それから三井マリ子と進む会。
三井: 後援会ですね。
T: 後援会というよりは,政治資金団体です。
三井: 政治資金団体ね。
T: これは選管に届けてあります。ですので,選管にどのように使ったか,
誰から何をもらったかということを届け出る義務があるということです。
それと,あの,
T,K: 民主党秋田県第3総支部。
三井: じゃ,3つですね、4つではなかったですね。
T,K: 3つです。はい,3つ。いまのところ3つです。それで,今日あらたに
発生するのが,年をまたぐので,第4の口座として,民主党秋田県
第3総支部基金。
三井: 基金と言うものを作りたいということですね。
K: 考え方としては,3番の第3総支部の口座と,基金口座というのは
ワンセットなんです。
T: 連動します。
K: 年をまたぐということになるとワンセットになるんですね。
三井: ふーん。」
「T: だいたいまあ7つぐらいの通帳で,1人の議員が誕生すると,やって
いくんです。今回は,ま,4つなんですけど。」
「三井: あ,そうすると,選挙会計というのは,もうひとつ口座があるわけ
ですね。三井個人と,進む会と,
K: ないです,ないです。
三井: 民主党第3,と,選挙会計と。
K: ないです,ないです。
三井: この選挙会計というのは,いったいどこにいっちゃったわけですか
ごめんなさい。
K: ここです,現金で持っているんです。
三井: 現金で持ってるのをだから私がこんな,間違えたということですね。
どっかに,移したとかなんか。
K: いやいやいや,」
「三井: それで,ただこういうふうに,10万,10万って引出したので,私は,
それも引出して,どっかにこう,第3,どっかの口座に入れたのかと
思っったんです。
K: あ,入れてないです。その都度,業者さんには払わなきゃいけないの
で。
三井: ふーん,現金で引き出したということですね。
K: そうです、そうです、そうです。振込んでとか,どっかの口座にいれかえ
て,とかではないです。
三井: それがさっきの,だから後援会のWS基金もそうなんですよね。
K: そうです、そうです、そうです。
三井: それもだから私が,これも,そっちも,
K: まさか,全く違うんです,
三井: 流動というか,移動したのだと,と思ったんです。
K: そんなことはできないです。
三井: 現金で持っていたということですね,ずっと。」
「三井: だから,私ね,何100万という金を,実際にご自身で持っていると
は思わなかったですからね。
T: ふつうはそうです。
三井: だから,いったん,そっちにこうふうにね。もうひとつ,だから,銀行
口座があるのか,って聞いたのはそこなんですよ。
K: ないです,ないです
三井: 民主党第3総支部に入れてないとするならば,もうひとつあるん
ですかということだったんです。
K: ないです,ないです。
三井: ふーん。」
「T: そうです。
K: こっちは全然関係ないですよ。(テーブルに置いた2つの通帳を指して)
三井: 第3総支部のほうね。
K: 第3総支部の,政党交付金が基金口座ですよ。
三井: 政党金のほうの。
K: これはまったく別物なので頭をちょっと切り替えて考えいただいて。
三井: 分かりました。
K: これと,これと,これは全く違います。3つ全部それぞれ違うので。
(3冊全部を指して)
三井: はい,分かりました。これは三井の個人口座でしたよね。
K: 個人口座,そして公認料。こっちは進む会という資金管理団体,
こっちは党本部の支部会計。また全然,全部違いますね。」
「三井: それじゃ,あの~,すみません,その2つの通帳の表紙と
その内訳だけでも,あの,コピーをしていただけますでしょうか
K: あ,いいですよ,コピーしますか。」
「三井: それで,ですから,いま4つになって,私が2つ預かって,
そっちが2つっていうことですね。
K: そうですね
三井: それで新たに作ったのが,ゼロのほうの基金ですね,
K: はい
三井: あ,基金のほうのゼロね
K: はい。」
近江弁護士、澤入弁護士、森田弁護士は、書面で次のように結論づけています。カッコは筆者。
「被告ら(松浦秘書)が、当初から原告に、受入口口座の存在を明らかにしていたとすれば、この時点で原告(三井)に対して口座は3つであるなどと説明するはずがない」
そのとおりだと思います。
岡田ふさ子 さみどりの会(注)事務局
【写真:「証拠となる録音テープとその反訳文を裁判所に提出しました」と述べる近江弁護士と三井原告。2014年4月4日、裁判報告会。秋田市内】
(注)衆院選で落選した三井候補は、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴した。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。「産むならば 世界を産めよ ものの芽の 燃え立つ森の さみどりのなか」という阿木津英の歌がある。女性は子どもだけでなく、世界を産み出すのだという意味だ。三井さんは、選挙演説に引用しては「私は新しい秋田を産み出したいのです」と結んでいた。「さみどりの会」の由来だ。裁判報道は下を。
■私も悔しい
■改ざんしたかのように言ってきた
■青天の霹靂
■「政治とカネ」にメスを入れる三井裁判
■政党交付金の残金を国庫に返還
■今朝の読売を読んで 「解散・返還は当たり前」
■澤藤弁護士ブログを読んで
■決定的証拠が裁判長に提出された
■供託金は秋田おばこのデモクラシーに
■秋田おばこのデモクラシーに大賛成
■マラッカ海峡より
■裁判をしなかったら供託金はどこに?
■「供託金もどって一安心」_5.21読売新聞
■女は使い捨ての駒か
■5月10日のNHK、11日の朝日、読売、魁
■供託金、もどった
■秋田おばこのデモクラシー
■4月15日の毎日新聞
■裁判長提案「供託金戻したら」は当然
■お金の流れがよくわかった
■NHK 「選挙資金裁判 争点絞られる」
■供託金は戻したらどうか、と裁判長提言
■ワーキング・ウーマン、三井裁判を女性の視点で見る
■今朝の毎日新聞
■女性記者の目
■秋田衆参両選挙で4人書類送検
■秋田衆参両選挙で関係者送検
■三井候補秋田追放事件を究明する裁判 3
■三井候補秋田追放事件を究明する裁判 2
■三井候補秋田追放事件を究明する裁判