2014年 03月 15日
日本の女性国会議員、189カ国中163位
とはいえ、政治の世界で頑張る女たちは1人、また1人と増えてきた。
国連の列国議会同盟IPUは、世界の国会議員選挙の結果を男女別にまとめ、国別の女性国会議員率を公表してきた。その国際比較は、世界の男女平等のひとつの目安になっている。
そのIPUの最新報告書によると、世界の女性国会議員(下院)は、昨年より1.5%増加した。
「30%以上クラブ」に39か国がメンバー入りした。国会議員など政策決定の場に女性を少なくとも30%にという国連の目標のことだ。
世界のトップはルワンダ。81議席中50議席が女性で、63.8%を占めた。2位アンドラ、3位キューバ、4位スウェーデン、5位南アフリカとつづく。
トップテンのうち4カ国はアフリカ諸国だ。「20年前には、女性の国会議員は10%以下だったが、今や、アフリカ平均22.5%となった」と、報告書は言う。アフリカの国々の華々しい躍進に目を奪われる。
アフリカの勢いに反して、対極にあるのはアジア諸国。1995年の13.2%からすると、18.4%に増えてはいるものの、昨年からはわずか0.5%しか増えなかった。世界で最も遅い歩みとなった。ちなみに日本は8%。
国連女性の事務局長Phumzile Mlambo-Ngcukaは、こうコメントした。
「世界の女たちは、性差別、暴力、政党のありかた、貧困や資産不足によって、国会の場から排除されている。クオータ制に代表される暫定的特別措置は、効果をあげている。国連女性は、女たちや政党・政府・市民たちが、女性の政治的指導力と政治参画を上げていこうとする活動に対して、支援していく」
さて、わが日本。
189カ国中163位(同じ数字の国を同順位にすると127位)。ベニンとコンゴの間に位置する。報告書は、「世界で10%以下の国がまだ34カ国ある」と警鐘を鳴らすが、その1つが8%の日本だ。
日本の女性たちは、職場でも家庭でも市民運動でもけっこう頑張っている。なのに、この見るも無残な姿。
民主主義の“民”に女性がはいっていない。これは男主主義であり、民主主義ではない。この非民主的事態を、なぜ日本の政府は野放しにするのか。なぜ、政党は改善する手だてを打たないのか。
さてと、日本には、政党交付金という制度がある。
政党の活動を活発にするために、国民1人あたり250円の税金を出し合ってつくった。総額320億円。世界最高額だという。
この血税である政党交付金は、国家予算から政党の本部に配布される(共産党を除く)。2012年は、民主党 165億、自民党 102億、公明党 23億円 みんなの党 11億、社民党8億・・・。
政党本部にはいった政党交付金は、各県の政党支部に回り、候補者の政治・選挙資金になる。つまり、ほとんどは男性の政治家の活動に消えているといえる。
だから、提案する。政党交付金を法的に担保する「政党助成法」に、「政党の候補者の少なくとも半分は女性とすること」という但し書きをつけたらどうか。
◆http://www.ipu.org/pdf/publications/WIP2013-e.pdf
◆http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=47307&Cr=women&Cr1=#.UyOvfFLNvSd
◆http://www.un.org/apps/news/newsmakers.asp?NewsID=103
【写真上:IPU報告書表紙。写真下:全て男性の日本の某地方議会。日本は国会にも女性が少ないが、地方には女性ゼロ議会がたくさんある】