2013年 10月 05日
エミー賞を競った「名誉殺人」と「フクシマの嘘」

原題Banaz: A Love Story。
強制結婚させられた夫によるDV被害者バナーズ(写真)。何度も逃亡するが、家族に夫のもとにもどされる。ついに離婚を決意。その後、新たな男性と恋に落ちる。それを恥とする家族(父親といとこたち)の手でバナーズが殺害されてしまうまでの、周到で組織的な殺人計画。
バナーズは、イラクからイギリスへ移住した家族の末娘。17歳で、10歳年上の男性と結婚させられた。夫の暴力におびえ、「家族に殺される」と必死に訴えた彼女の悲鳴を真剣にとらなかったロンドンの警察など、など。
戦慄を覚える、この番組は、イギリスのテレビチャンネルで放映された。
この「名誉殺人」と、エミー賞ニュース・時事部門で、競って負けたのが、「フクシマの嘘」。ドイツZDFの作品だ。受賞できなかったのは残念でならない。今こそ、一人でも多くの日本人が見るべき番組だと思うからだ。

ジャーナリストの鏡ともいえる、執念の取材は、「フクシマの嘘」として完成され、日本語字幕付きが、YouTubeでも流された。2012年3月に私も見た録画は、クリックすると今でも視聴可能だ。
この2つはどちらも、強大な権力を持つ者たちによる社会的弱者圧殺事件に対する、告発だ。前者は「イスラム原理ムラ」、後者は「原子力ムラ」。
■Lie of the Fukushima (ZDF zoom / 日本語字幕) part-1
http://www.youtube.com/watch?v=szGQFhG1zT4&fmt=18
■Lie of the Fukushima (ZDF zoom / 日本語字幕) part-2
http://www.youtube.com/watch?v=N7e1v3XEems
■Banaz: A Love Story ©Fuuse Films(英語のみ:少し長いが必見。左上は殺害される前、救急病院に運ばれたバナーズ)
http://www.youtube.com/watch?v=VepuyvhHYdM
◆Norske Deeyah kan vinne Emmy-pris
http://www.nrk.no/kultur/norske-deeyah-kan-vinne-emmy-pris-1.11268146