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比例制選挙がいい

9月9日はノルウェーの国政選挙だ。憲法で9月の第2月曜日と決まっている。だから、政党も候補者も腰をすえて準備できる。各政党は、他政党と明快に区別できる独自政策を練る。半年間、じっくり政策討論をする。中高生までも、加わる。

ノルウェーからのニュースによると、2013年の選挙結果は、4年前の2009年と様変わりしそうだ。現在は、労働党を中心とする中道左派連立政権だが、保守党を中心とする中道右派政権に交替するようだ。

保守党は、自営業主を支持基盤にする保守主義の政党だ。党首はエルナ・ソルベーグ。最大与党の党首が首相に選ばれるので、次期首相は彼女の可能性が高い。とすると、グロ・ハーレム・ブルントラント元首相(労働党)に次ぐ、ノルウェー史上2人目の女性首相となる。

保守党は、最右派の進歩党ほど鮮明ではないが、クオータ制に反対だ。最近、エルナ・ソルベーグ党首は、父親が14週間育児休暇をとることができる「パパ・クオータ」を廃止するような意見を述べて、議論をよんでいる。

彼女の意見に猛反対するのは、初の女性首相ブルントラントだ。エルナ・ソルベーグの「パパ・クオータ廃止は反動的です」とメディアで反対の声をあげた。ブルントラントは、1986年、女性が40%以上を占める「クオータ内閣」を世界で初めて組閣した歴史的政治家。今でも「ノルウェーの母」と呼ばれて親しまれている。

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もうひとつおもしろいニュースがある。国会にまだ議席のない「緑の党」の人気が徐々にあがり、初めて数人当選しそうなのだ。

前回の国政選挙を取材したとき、投票日の朝、投票所前に立ち、たった1人で「緑の党リスト」を配っていたハンナ・マルクッセン(写真上)も、当選ラインだという。彼女は、私に「グリーン・パーティを知っている? ノルウェー国会にはまだ議席がないけど、欧州全体では力があるんですよ、EUなんかとくに」と言った。

こうしたノルウェーの選挙から、日本の国政選挙を思い出している。

環境政策、原発反対政策、男女平等政策を優先課題にした小政党があった。でも、議席を獲得できなかった。なぜか? 原因は、小選挙区中心の選挙制度だからだ。小選挙区制では、最も多く票をとった候補者が1人勝ちし、それ以外の候補者に投票した人は代表を出せないのだ。

これに対してノルウェーは比例代表制。政党が決めた候補者リストから、投票者は支持するリストを選んで投票する。当選者は、政党の得票率に比例して候補者リストの上から順番に決まる。大政党は大政党なりに、小政党は小政党なりに当選者が出る。リストの順番は男女交互が多いから、女性もほぼ半数当選できる。実際、ノルウェー国会議員の約4割が女性だ。

比例代表制とは、「勝負をつけるのではなく、票数の多い少ないを正確に議席に反映させる。つまり多数派と少数派の双方がその大きさに比例して代表される」。三宅一郎の弁だという。小選挙区制は邪悪だと言いきった、石川真澄(元朝日新聞記者)の本に見つけた。

◆Gro angriper Høyre: – Et tilbakeslag for likestillingen
http://www.tv2.no/nyheter/politisk/gro-angriper-hoeyre-et-tilbakeslag-for-likestillingen-4104766.html
http://politisk.tv2.no/spesial/partibarometeret/maalinger/10597/
◆ノルウェー首相、タクシー運転手に
http://frihet.exblog.jp/20631969/
◆パパ・クオータ、7月1日から14週間に
http://frihet.exblog.jp/20031889/
◆NHKの不公平な選挙報道
http://frihet.exblog.jp/20592493/
◆ノルウェー保守党党首の人気上昇
http://frihet.exblog.jp/18425089/
by bekokuma321 | 2013-08-27 23:21 | ノルウェー