2012年 05月 11日
24歳の女性生存者の証言
ブレンナは事務局長という責任ある立場にいた。労働党青年部のサマーキャンプで合宿していた多くは10代で、24歳の彼女は年上のほうだった。
彼女は、ウトヤ島の岩の陰に隠れて奇跡的に命拾いをした。ずっと罪悪感と責任感にさいなまれてきた生存者の1人だ。
事務局長である彼女の後に、大勢がついてきた。恋人たちの小道から小川に沿って狭くてすべる坂道を下った。岩陰に隠れられた人もいたが、隠れきれない人もいた。そこにブレイビクがやってきて襲撃した。
彼女のそばには肩を襲撃されて血を流している少女が苦しんでいた。彼女の流血をとめようとしたり、なだめたりしながら、一緒に地面に伏せていた。みな助けを求めてパニックだった。隠れていたので見えなかったものの、海に飛び込む音、泣き叫ぶ声、ひっきりなしの銃撃の音が聞こえた。生きている人たちは、死んだふりをしようとじっと静かにしていた。しかし、中に重傷を負った人がいて、意識もうろうとして何か話しだした。
「私は、自分が責任ある立場にいたとわかっています。もっと時間とエネルギーが私にあったなら、と思います。7月25日(事件の3日後)、ある男性が私をつかまえて、『お前の責任だ』と叫びました」
「なんで、最も年長の一人だった私が生きて、他の若い子たちが死んでしまったのだろうと。でも、亡くなった人も、生きることのできた人も、責めないでほしい。みな生きてほしい」
もう一人の証言者はビョーン・イーラーBjorn Ihler。彼は、何度も銃撃を受けたが、助かった。彼は、逃げる途中、8歳ぐらいの2人の少年にあって一緒に逃げた。ブレイビクが彼にガンをの狙いを定めた時、とっさに水に飛び込んだ。少年たちとはぐれた。その後、また少年たちにあったら、「彼は僕たちを撃たなかった」と言った。大勢の死体とその傍で鳴りやまない携帯電話が目に焼きついている、という。「愛する人にかけていた最後の電話。その向こうには、二度と聞くことができない声を待っている・・・」
2011年7月、ノルウェーで77人を殺したブレイビク襲撃犯の公判は、夏まで10週間続く。生存者にとっても、家族を失った人たちにとっても、地獄の日々がよみがえってくる。
■Hjertet datt ned i magen på meg da jeg fikk beskjed om å vitne nå
http://nrk.no/227/dag-for-dag/_-hjertet-datt-ned-i-magen-pa-meg-1.8125406
■Norway massacre: Survivors give evidence
http://www.bbc.co.uk/news/world-18011072
■Advarer mot sterke bilder fra Utøya
http://dt.no/nyheter/advarer-mot-sterke-bilder-fra-utoya-1.7213642