2012年 05月 04日
マリリン・ウォーリングが語る女性の労働
『新フェミニスト経済学』(Marilyn Waring著、篠塚英子訳、東経)の著者マリリン・ウォーリングが、面白いたとえで女性の労働を語っている。昨夏の録画だが、2012年4月の国際会議PRに流された。「病院で出産に携わる仕事を考えてみましょう。医師は報酬を得ます。麻酔医も、産婆も、看護師も、医療事務職員も。ところが、出産という労働に携わる女性はまったく報酬を得られません。つまり、生命を生み出すという最も中核的労働は、経済学では見えない労働なのです」
ところで出産を英語ではlabor、すなわち労働という。これ以上の皮肉はない。
subsistence work (生存のための労働)という概念も、おもしろい。私の友人勝又みずえ(ファイトバックの会世話人)は、山口県のある村で、畑仕事をして、家族の食べるものの多くを自らの手で生産している。しかし、彼女の労働には対価はない。つまり経済学では労働に値しない。マリリン・ウォーリングは、世界中で、こうした生存のための労働に携わっているのは、女性だ、という。
マリリン・ウォーリンは、主張する――家事労働は世界中で行われている労働である。それがなくなると社会はまったく回らない労働である。しかし無報酬であるため、経済学では労働に値しない。だから、女性の労働を組み入れた経済学、従来の経済学とは全く違う経済学が必要だ--こう刺激的な主張をして一世を風靡した。
■Making women's work count - Marilyn Waring
http://www.youtube.com/watch?v=_ACr-6zcHyQ&feature=related

