2012年 02月 11日
イスラム社会と女性アスリート
ハシバ・ブールメルカ(Hassiba Boulmerka 1968年生)は、アルジェリアの陸上競技選手。現在は実業家だ。
1991年、東京の世界陸上選手権1500mの金メダル、1992年、バルセロナオリンピック1500mの金メダリストだ。アルジェリア初のオリンピックの金メダリストだった。
1991年の世界陸上の1500 mで優勝したハシバ・ブールメルカは、東京から帰国し、国のヒローとなった。しかし、1992年、アルジェリアは内戦状態に突入。25万人が殺害された。ハシバ・ブールメルカも、イスラム過激派のターゲットになった。
「よく覚えています。金曜日でした。短パンをはいて腕と足を出しているおまえは、反イスラムだと云われました」
その後、彼女も家族も、「殺してやる」という脅迫や、「裏切り者」という落書きを書かれるようになった。彼女は、競技を続けるためにベルリンに居を移した。バルセロナオリンピックの前は、集中するため、いっさいの家族との連絡を絶たなければならなかった。
オリンピック出場のため、オスロ周りの迂回便に乗ってバルセロナに到着したのは、試合の前日だった。警備に囲まれて、スタジアムに入場した。警察官は、スタジアム、更衣室、トイレにも配備された。
そして、試合。彼女は優勝した。
「ラインを踏んだとき、空に向かってげんこつをあげました。勝利のシンボルです。やった! さあ、殺そうとしても、もう遅い。歴史をつくったんだ!」
「勇気を見せたかったので、涙をこらえようとがんばりました。でも、涙をおさえられませんでした。この競技のために私が捨てざるを得なかった多くの愛する人たちのため、身を投げ打った涙でした」
20年前の話しだ。
■Hassiba Boulmerka: Defying death threats to win gold
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-16962799

